【5月27日更新!】フォルクスワーゲン 新型ゴルフ(ゴルフ7)新型車解説/渡辺陽一郎(3/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
実に先進的で買い得となった7代目新型ゴルフ!
(以下は、2013年5月2日時点の情報に基づく内容となっております。解説グレードは、台数限定で先行予約された特別モデル「デア・エアステ」で、5月20日の正式グレードとは異なりますのでご注意ください)
新型ゴルフのバリエーションの構成は、1エンジンに付き1グレード。1.2リッターが「TSIコンフォートライン・デア・エアステ」、1.4リッターが「TSIハイライン・デア・エアステ」で、両車ともにアイドリングストップのスタート・ストップシステムを備えるから、グレード名の末尾に「ブルーモーション」が付く。
装備で最も注目されるのは、両グレードともに安全面を充実させたこと。センサーとしてミリ波レーダーとカメラを装着する。
「フロントアシストプラス」は、衝突回避の支援機能。ミリ波レーダーが前方を監視して、衝突の危険が迫ると警報を発する。回避操作が行われない時には自動ブレーキを作動させて被害を軽減。時速30km未満で走行している時にはシティエマージェンシーブレーキの作動範囲に入り、自動ブレーキで衝突を回避できる場合もある。
「レーンアシスト」では、カメラからの情報で車線の逸脱を検知すると、ステアリングの振動などによってドライバーに警報。ステアリングの補正を行う機能も備わる。
「マルチコリジョンブレーキシステム」も採用。エアバッグのセンサーを応用した安全装備で、例えば追突された時でも自動ブレーキを作動させ、対向車線に飛び出すのを防ぐ。もちろん横滑り防止装置や9個のエアバッグが備わり、安全面は手厚い。
このほかの装備では、ディスチャージヘッドランプ、CDオーディオ、アルミホイールは両グレードに標準装着した。
注意したいのはカーナビで、現時点では対応できていない。インパネの中央には5.8インチのモニター画面が装着されるが、オーディオのタッチスクリーンになり、カーナビの機能を持たせることは不可能。汎用品の組み込みも形状と機能の両面で困難だから、カーナビはインパネの上部などに別個に設置せねばならない。
1.2リッターのコンフォートラインと1.4リッターのハイラインでも装備は異なり、ハイラインには曲がる方向を照らすダイナミックコーナリングライト、LEDポジションランプ、アルカンターラのシートなどが備わる。
さらにハイラインにはドライビングプロファイル機能も装着。エンジン、シフトプログラム、操舵感などをエコ/スポーツ/インディビジュアル(個別設定)の3段階に切り替えることが可能だ。
車両価格は新型ゴルフ コンフォートラインが279万円、ハイラインが305万円。差額は26万円になる。
両車の動力性能をターボを装着しないノーマルエンジンに当てはめれば、コンフォートラインは1.8リッター、ハイラインは2.5リッタークラスだ。排気量の相場は日本車の場合で100cc当たり2万円。なのでエンジンの違いだけで14万円は差額が縮まると考えて良い。サスペンションも車軸式と独立式の差があり、16/17インチのホイールサイズも含めて6万円と見積られる。合計すれば20万円。残りの6万円でアルカンターラのシート、ダイナミックコーナリングライト、LEDポジションランプなどが備わることになり、買い得なのは価格は高いもののハイラインになる。
安全装備充実、燃費も向上し先代より安価となった、実に買い得な「ゴルフ7」
従来型のハイラインとも比べよう。従来型は前述のようにターボとスーパーチャージャーを装着するが、動力性能は同等だ。JC08モード燃費は従来型は15.9km/Lだから、新型は3km/Lは向上するだろう。そして従来型ハイラインの価格は329万円。2つの過給器を装着したこともあり、安全装備が劣るのに24万円も高かった。つまり7代目ゴルフは、安全装備を充実させた上で大幅な値下げを行っている。
ちなみに日本車と比べると、動力性能と装備内容はレガシィツーリングワゴン2.5iアイサイト(289.8万円)あたりが近い。差額は約15万円だが、レガシィが4WDになることを考えれば30万円前後の違いだ。レガシィはこの価格帯の日本車では有数の買い得モデルだから、ドイツ車のゴルフが30万円の差額ならば相当に割安。背景には「MQB」プラットフォームによるコストの低減がある。
以上のように、7代目の新型ゴルフは先進的で買い得だから、従来型以上に日本のユーザーの生活に溶け込むだろう。売れ行きが伸びることは間違いないので、フォルクスワーゲングループジャパンは、納期の遅れが生じないよう十分に配慮して欲しい。
販売網の整備も大切。今でも1県に1店舗しか正規販売店がない地域もあり、ユーザーに不便を強いている。もはや都市部を中心に輸入車を売る時代は終わった。
日本車も悠長にはしていられない。エコカー減税が免税で「ぶつからないクルマ」が300万円前後となれば、アイサイトのレガシィと同じくユーザーに対する説得力は強い。今の日本車の売れ筋は市場全体の約40%を占める軽自動車、20%に達するコンパクトカーだが、200万円以上の車種の魅力が薄れて小さなクルマに代替えしたユーザーも多い。小さな日本車の魅力が増したことは確かだが、高価格車の伸び悩みも影響している。
今後はゴルフ/Aクラス/V40などを中心に輸入車同士の競争が激化して、販売台数も増える。日本車も「輸入車対策」を講じる必要があるだろう。
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