トヨタ ヴォクシー 試乗レポート(2/3)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:茂呂幸正
チップアップ機構を採用した8人乗り仕様の2列目シート
インテリアでは、2列目シートアレンジが大変更され、新たに7人乗り仕様が追加されるとともに、8人乗り仕様が6:4分割のチップアップシートに変更された。
また、2列目および3列目シートのセンター席に3点式シートベルトとヘッドレストが新採用された。これについてはまもなく法制化される動きもあり、同クラスでいち早く対応が図られたわけだ。
実は上記のシートアレンジの変更はこれを受けてのもので、人知れず相当なコストがかかっているらしい。
このクラスは8人乗りが主流となっているが、実際にフルに8人が乗るというシーンはあまりないもの。
2列目の乗員にとっては、キャプテンシートのほうが居心地がいいのはいうまでもなく、7人乗りの追加は朗報に違いない。
ただし、3列目をたたんだときに乗れるのが4人で大丈夫なのか、やはり5人乗れたほうがいいのか、ということが問題となる。 イザというときのために8人乗りを選んでおく人が多いのは、心情的には理解できる。
撮影車両はZSグレードの8人乗り。
従来は8人乗りのみの設定で、「ワンタッチタンブル(折りたたみ)シート」と、「ロングスライドマルチ回転シート」が用意されていて、2列目のセンターはアームレストのように背もたれを折りたたみ、それを座面ごと垂直に立てることでウォークススルーができるようになっていた。
今回、チップアップ機構を得た8人乗り仕様は、ウォークスルーができなくなったぶん、まずシート自体がしっかり座れるつくりとなった。 また、7人乗りに比べ、チップアップできる8人乗りのほうが2列目をより前方にスライドさせることができる。
これにより7人乗りに対し、3列目へのウォークインの間口が約100mmも広くなるし、最大荷室状態にアレンジしたときの容積もだいぶ大きくなるというメリットもある。 そうした部分を重視する人には8人乗りのほうがベターだ。
7人乗りと8人乗りのどちらにも良い部分と不得手な部分があるわけだが、のちのちのカーライフを左右する問題なので、ぜひ慎重に選んで欲しい。
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