【試乗】トヨタ 新型 ヴォクシー ハイブリッド・ノア ハイブリッド 試乗レポート／今井優杏(2/4)

プラットフォーム一新で室内のゆとりが大幅にアップ

トヨタ ヴォクシーとノアは、主にルックスによってのみキャラを二分した双子車である。

一皮剥いたら同じナカミが入っているのだが、ギラっとワルめ(トヨタの言うところの“毒気”)なヴォクシーと、ファミリー向けの優しい雰囲気のノアという位置づけだが、今回はノアだって以外に迫力のある顔をしているから、さらに若い年齢層にもウケそうだ。

どちらにするかは完全に好みの世界なのでそれぞれに悩んでいただくとして、今回のウリのひとつは完全にプラットフォームを一新したモデルチェンジのおかげで、さらに便利に生まれ変わっているのが、セカンドシート以後の乗員スペースである。

全長を先代から100mm延長し、ホイールベースを25mm拡大したことに加え、薄型シートを採用することでセカンドシートとサードシートの間のニークリアランス(膝前スペース)を140mm延長している。乗ったらわかるがめっちゃ広い。もう“3列目はたまに孫の顔見にやってくるじいじとばあばの専用席”なんてのは過去の話だ。これなら2世帯同居ファミリーだって3列目シートをガンガン日常ユースで使うことが出来ると思う。

低床フロアで乗り降りしやすく、天井も高い！

さらに注目してもらいたいのが、全高を25mm低くして低床化を叶え、スライドドアからの乗り込み口をクラストップの360mmとしたことと、荷室フロア高を500mmとしたことだ。しかも乗り込み口は完全にフラットになって、子供やお年寄りはもちろんのことスカートやヒールを履いている女子にだって嬉しい乗り込みやすさである。

低床化により車内高もクラストップの1,400mm。これはなんと同社アルファードと同等になるのだから、その広さを推測していただけるだろう。

シートアレンジも進化している。

初代は『何のトレーニングをさせる気やねん』と思うくらい重かったサードシートの跳ねあげ式収納だが(いやほんとに持ち上げるのも一苦労だったんだってば！)、これが同じような左右跳ね上げ式ながら設計の見直しなどでかなり軽く、片手とまではいかずともすんなりと跳ね上げが出来るようになっている。

テールゲートを開けた時なんか、開口部からは跳ね上げたシートが見えないくらいにリアクォーターガラス部分にスポッと綺麗に収納されているので、荷室幅も1,100mmと、わずかにタイヤハウスの張り出しがあるほかには何にも邪魔されない箱型空間を叶えているのも心強い。

圧巻！ セカンドシートは810mmもスライド可能

さらに今回のヴォクシー／ノアでは7人乗りと8人乗りが選択出来るのだが（ハイブリッドモデルは7人乗りのみ）、7人乗りの2列目には独立したキャプテンシートを採用した。

このシートスライド量はなんと810mm、先代が510mmだったからかなりのスライド量である。3列目を畳んで2列目を思い切りスライドさせれば、「この床で普通に眠れますけど？」な広々空間が現れる。

さらにキャプテンシートながら横スライドもするので、どうしても離れていたくない仲良し家族もベンチシート風にアレンジ出来るから安心して欲しい。

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