【試乗】トヨタ 新型 ヴィッツ[2014年4月マイナーチェンジ] 試乗レポート/渡辺陽一郎(4/4)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂幸正
専用マスク採用でさらに精悍になった「ヴィッツ 1.5 RS」
ならば「1NZ-FE」型1.5リッターエンジンを積んだ「ヴィッツ 1.5 RS」はどうか。フロントマスクにはメッシュ状のグリルが装着され、アルミホイールも専用のデザインでカッコイイ。
この1.5リッターエンジンにも新たにスマートストップパッケージが設定されたが、JC08モード燃費は21.2km。非装着の19.6km/Lと大差ないが、後者にはエコカー減税が適用されない。そして価格差が7万9528円と多いので悩ましい。減税額は約4万円だから、実質約4万円の差額だ。実用燃費で計算して、約6万kmで差額を取り戻せる計算が成り立つ。RSスマートストップパッケージ(199万4073円)は、走行距離に応じて選びたい。
さすがに1.5リッターエンジンはパワフルで運転しやすい
新型ヴィッツ 1.5 RSの動力性能だが、さすがに1.5リッターエンジンになるとパワフルだ。1.0リッターでは辛く、1.3リッターでもエンジンノイズが増した坂道を、1.5リッターなら力強く駆け上がる。幅広い回転域で余裕が増すから、市街地から高速道路まで、ルートを選ばず運転しやすい。ギア比とアクセルの操作次第では、駆動力の増減を大きくできるから、旋回時の車両のアクセルコントロール性も高められる。
タイヤサイズはRS専用の16インチで「195/50R16」。銘柄はブリヂストン・エコピアEP25だが、前述の14インチに比べると明らかにグリップ指向だ。ボディ補強との相乗効果により、運転感覚はけっこう楽しい。
低燃費グレードに比べ、乗り心地の面でも有利
サスペンションもRS専用に設定され、乗り心地は硬めではあるが、重厚感が伴って快適性を削がれにくい。今のコンパクトカーは、ノーマルエンジン車が低燃費と低価格を重視するから、スポーティーグレードは走行性能だけでなく快適性でも上まわるようになった。
その分だけヴィッツ RS スマートストップパッケージの車両価格は200万円近いが、ほかのヴィッツとは違う味わいがある。
選ぶ時に注意したいのは最小回転半径。1.3Fは4.7mだが、RSは5.6mに達し、右折車線からのUターンなどが行いにくい。取りまわし性は試した方が良い。
ライバル「ホンダ フィット」と徹底比較
結論をいえば、トヨタ ヴィッツはライバル車のホンダ フィットに比べて、後席が窮屈で荷室の容量も小さい。現行型3代目ヴィッツは、先代フィットと同等の荷室奥行を確保するために、後席を前寄りに設置した経緯があり、空間効率の取り方がいま一歩だ。荷室の優位性はフィットに譲り、後席の足元を広げるべきだった。
なので、実用面においてヴィッツがフィットを抜けるとしても次期型だろう。この時には、自動ブレーキを伴う衝突回避の支援機能も設定されそうだ。時速30km以下で作動するフィットのタイプとは異なり、もう少し高い速度域までカバーできるシステムを用意するらしい。
現行型で比べると、総合的には今でもフィットが勝るが、乗り心地が同等に達したことで、ヴィッツの軽快な運転感覚が際立ってきた。それから細かな話だが、ヴィッツでは助手席の前側に、グローブボックスとは別にアッパーボックスを加えた。フィットはこの機能を現行型で廃止している。
コンパクトカーはライバル同士がいろいろな機能で競争し合いながら、商品力を高めていく。「軽自動車に負けるなよ!」と願わずにはいられない試乗であった。
[レポート:渡辺陽一郎]
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