日本にない日本車/トヨタ タンドラ(2/3)
- 筆者: 桃田 健史
- カメラマン:桃田健史
何故、トヨタは「タンドラ」を日本で売らないのか?
乗用としては、デカ過ぎるから
全長×全幅×全高=5,809mm×2,030mm×1,920mmは、日本の道ではデカ過ぎる。
商用としては、中途半端な大きさと形状だから
日本でピックアップトラックっぽい車といえば、ダットラ(ダットサン・トラック)。
ガソリンスタンドのトラックとして日本人にはお馴染みだった。しかし、近年は灯油の出張販売も減り、ダットラの姿も見なくなった。
ダットラの後継的な存在として軽トラックが普及した。だがダットラより大型、つまり「タンドラ」級となると、荷台上部が囲われていないトラックの用途が少ない。
V8では、エコじゃないから
アメリカで楽しむにはいいが、今の日本に日系V8エンジンは社会の同意が得られない。
試乗してみて感じたこと
V8の低音振動が極めて少なく、車内はとても静か。
乗り込む際には、Aピラーの手すりをつかんで「よっこらしょ」という感じだ。だが、一旦運転席に座ってしまうと、けっして視点が高過ぎるとは思わない。
ハンドリングはマイルド。一般乗用車と比べてステアリングギア比も高く、交差点での切り込み量がやや多い。市街地での乗り心地は、乗用車と大差は無い。
加速については、低速トルクで「ドドドッ」と出て行く感じではない。アクセルの踏み量に対して、エンジン回転の上昇を緩やかに設定している印象だ。エンジンにザラつき感はまったくない。ジワリ、ジワリとトルク感が広がっていく感じだ。
フリーウェイでは、フラットライド感。荒れた路面を時速60マイル(約96km/h)で走行しても、リアは跳ねる現象はない。(一般的に、空荷状態のピックアップトラックはリアが跳ねる傾向にある。)
日本車「らしさ」、日本車「ならでは」という雰囲気はない。
「タンドラ」は(良い意味で)アメ車である。
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