自動車産業界に激震!グーグルが完全自動運転の開発を諦めたワケ(1/2)

自動車産業界に激震!グーグルが完全自動運転の開発を諦めたワケ
街なかをテスト走行するグーグルの完全自動運転カー「Google Car」 マウンテンビュー市内にあるグーグル本部 グーグルの自動運転車の開発本部 AUVSI「オートメイテッド・ヴィークル・シンポジウム2016」での資料画像 街なかをテスト走行するグーグルの完全自動運転カー「Google Car」 AUVSI「オートメイテッド・ヴィークル・シンポジウム2016」での資料画像 レクサス車両でテストしていた頃のグーグル自動運転テスト車 人工知能技術の研究・開発の拠点として、新会社「TOYOTA RESEARCH INSTITUTE, INC.」(TRI)を、米国カリフォルニア州の通称“シリコンバレー”に設立 人工知能技術の研究・開発の拠点として、新会社「TOYOTA RESEARCH INSTITUTE, INC.」(TRI)のメンバー TRIメンバーによるメディアラウンドテーブルの様子 フォードが目指す完全自動運転テストカー 画像ギャラリーはこちら

Googleの自動運転事業を『Waymo』として子会社化

マウンテンビュー市内にあるグーグル本部

まさか、グーグルがこのタイミングで自動運転の開発を止めるなんて…。

日本時間の2016年12月14日早朝、グーグルの親会社であるアルファベットからの公式発表があった後、自動車メーカーや、交通・経済に関する行政機関の関係者らは目を丸くして驚いた。

アルファベットの発表によると、これまで自動運転の技術開発を行ってきた事業部を『Waymo』として子会社化。そして、FCA(フィアット・クライスラー・オートモービル)と連携する形で、全米各地で完全自動の旅客業務の実用化を検討し、早ければ来年からサービスを行うという。

こうした動きについて、アメリカのメディアでは「これはグーグルにとって事実上、完全自動運転の開発からの撤退である」とのコメントが目立つ。

完全自動運転は、アメリカの自動車技術会(SAE)による自動運転レベルでは、最高位のレベル5に相当する考え方で、運転者は無人であるという解釈だ。グーグルが企画開発し、2015年に公開された二人乗りの通称『グーグルカー』は、完全自動運転の早期実用化を狙うという斬新なビジネスモデルとして世界の注目を集めてきた。

それがいきなり事実上の撤退という結末。グーグルにいったい何が起こったというのか?

>>これまでの自動運転テスト車等写真でチェック(画像14枚)

アルファベットの誕生が意味するもの

グーグルの自動運転車の開発本部

僭越ながら、筆者は今回の『グーグル・完全自動運転の事実上の撤退』を昨年夏の時点で予測し、経済関連の複数のメディアで記事化している。

そのタイミングは、グーグルが持ち株会社のアルファベットを設立した時期である。グーグルとしては、大規模なプロジェクトについての『開発コストの透明化』と『ビジネスへの量産化した場合の採算性の明確化』を、グーグル社内、そして株主など外部関係者に対して発信しなければならない状況にあった。プロジェクトは『グーグルX』という括りで極秘研究が進んできたが、そのなかで規模が大きいのが自動運転やロボットに関するものだった。

そうした持ち株会社への移行に伴い、自動運転の事業部は独立した建物に引っ越した。場所は、グーグルがキャンパスと呼ぶカリフォルニア州マウンテンビュー市内のサンフランシスコ湾よりのエリアから、クルマで15分ほど内陸部に入った住宅街の一角だ。

この新事業部の統括者としてグーグルに転じたのが、ジョン・クラフチック氏。シリコンバレーの生まれで、スタンフォード大学を卒業後、トヨタにエンジニアとして入社。その後、フォードを経て、そしてヒュンダイアメリカの社長、自動車関連ネット企業のテゥルーカーの社長などを歴任した、自動車事業経営のプロだ。

彼の使命は、グーグルカーを早期に量産化することだ。その時点で筆者が感じたのは、日産ゴーンCEOのようなコストカッターである彼が、シナリオのひとつとして、仮にアルファベットの独自事業としての採算性が見込めないと判断した場合、同事業部を子会社化して外部に売却するというケースだった。

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桃田 健史
筆者桃田 健史

日米を拠点に、欧州、BRICs(新興国)、東南アジアなど世界各地で自動車産業を追う「年間飛行距離が最も長い、日本人自動車ジャーナリスト」。自動車雑誌への各種の連載を持つ他、日経Automotive Technologyで電気自動車など次世代車取材、日本テレビで自動車レース中継番組の解説などを務める。近著「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」(ダイヤモンド社)。1962年東京生まれ。記事一覧を見る

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