ロッキーとライズはなぜ短期間で大ヒットモデルになれた!? 約170万円から買える、お手頃価格と充実の装備に答えがあった

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今や世界的にコンパクトSUV全盛の時代である。日本も例外ではなくヤリスクロスやヴェゼルといったモデルが大ヒットを飛ばしている。もっといえば、より安価なダイハツ ロッキーやトヨタ ライズ兄弟も飛ぶ鳥を落とす勢いである。一体なぜロッキーとライズは大人気車種となれたのか? そして170万円を下まわるグレードを用意するなど、これほどまでに低価格を実現できた理由とは!?

目次[開く][閉じる]
  1. ライズだけでなくロッキーも絶好調のセールス
  2. ロッキー/ライズ人気のワケはサイズと内外装デザイン、そして価格の安さにアリ
  3. 低価格で充実の装備内容が魅力! キーワードは「良品廉価」
  4. マイナーチェンジで乗り心地の向上を切望

ライズだけでなくロッキーも絶好調のセールス

2019年11月に登場したダイハツ主導で開発されたコンパクトカーSUVのトヨタライズとダイハツロッキー。両車の販売は、ライズが2020年に約12万6000台、2021年1月〜7月においても約5万4000台。対するロッキーも2020年には約3万1000台、2021年1月〜7月には約1万3500台と未だ絶好調である。

ここでは絶好調の理由と、その理由の1つとなっている2台の価格の安さの理由を考えてみた。

>>トヨタ 新型ライズ人気が止まらない! その理由は200万円以下の低価格帯、そして使いやすい車内にあった

ロッキー/ライズ人気のワケはサイズと内外装デザイン、そして価格の安さにアリ

ライバルほぼ不在! ちょうどイイサイズのロッキー/ライズ

SUVブームが始まって10年近くが経ち、その間にはホンダ ヴェゼルやマツダ CX-3をはじめとしたコンパクトSUVも各社投入した。

しかし、その中で5ナンバーサイズなのはスズキ クロスビーだけ。クロスビーは良さもあるが、いろいろな意味で小さすぎる感も否めなかった。

そこに全長約4mというコンパクトカーと同等のボディサイズとなる、日本にはジャストサイズのコンパクトSUVのライズ&ロッキーが投入されれば、注目されない訳がないのだ。

>>【予算200万円のSUV選び】トヨタ ライズとスズキ クロスビーをガチ比較! 燃費はほぼ互角ながら街乗りならクロスビー

全長約4mにもかかわらず、ひとクラス上のヤリスクロス並のラゲッジルーム

ライズ&ロッキーのリアシートは半車格上のヤリスクロス並と、非常に広い。

また、ラゲッジスペースも369リッターとコンパクトSUVの水準以上の広さを持つのに加え、アンダーボックスも80リッター(4WDモデルは38リッター)と大きく、広さはライズ&ロッキーの大きな武器だ。

タフなSUVデザインのロッキー、大人気RAV4似のライズ! 外装デザインも人気の理由

2台のフロントマスクは、ミニRAV4的なライズに対し、押し出しあるフロントマスクを持つロッキーと、デザインが異なる。特にライズはいい意味で万人向けだ。

インテリアも質感こそ高くないが、SUVらしい力強さと明るさがうまく融合されており、好感を持つ人は多いだろう。

最大の武器は価格! 160万円台と超お手頃価格で装備も充実

ライズ&ロッキーの価格は、ライズは167万9000円〜と比較的安価である。ロッキーの最上級グレード「プレミアム」でも236万7200円。車格などの要因もあるが、周りのコンパクトSUVに比べれば格段に安い。

さらにライズ&ロッキーは200万円前後のグレードのお買い得感が高い。というのも最近は200万のコンパクトカーは当たり前、200万円の軽自動車も珍しくないのを考えると、「こっちの方がカッコいい」とライズ&ロッキーを選ぶ人も数多くいるだろう。

以上まとめると、ライズ&ロッキーは商品力が非常に高く、売れるのも当然という訳である。

低価格で充実の装備内容が魅力! キーワードは「良品廉価」

ここで気になるのが、「ライズ&ロッキーがなぜ安い値付けができるのか?」という理由だ。

これは開発を主導したダイハツの社是の1つである「良品廉価」と、その基盤となるライズ&ロッキーに先行して登場したタントから始まったDNGAコンセプトに尽きる。

軽自動車のノウハウを投入! 新開発プラットフォームが素晴らしいデキ

DNGAコンセプトは良品廉価にも力が入っており、プラットフォームも軽自動車用、小さ目のコンパクトカー用となるAセグメント用。そしてライズ&ロッキーが含まれていると思われるBセグメント用の3つで設計思想を共通化し、3つのプラットホームは相似形で開発されている。

そのため、開発ペースも早まり、時間とイコールとなる開発コストも抑えられるというわけだ。

さらにDNGAコンセプトは部分ごとに見ても、プラットフォームは軽自動車用、Aセグメント用、Bセグメント用を通して見ると共通部分がかなりあり、CVTも軽自動車用とライズ&ロッキーが使うものの共通部分は多い。

目新しい技術はまったくなし! 今持っている技術を最大限に生かしたエンジンがスゴい

また、DNGAコンセプトとは違う話になるが、ライズ&ロッキーの1リッター3気筒ターボというエンジンも注目すべきポイントがある。昨今の3気筒エンジンは、燃費などに有利な直噴技術を採用しているモデルが多いが、ロッキー/ライズは通常のポート噴射のターボを搭載している。動力性能を考えれば安上がりと思われ、それでも燃費などにネガティブな面がなく、よくできているのだからスゴい。

まとめると、ライズ&ロッキーは綿密な戦略と細かな積み重ねにより、廉価に提供されているということである。

マイナーチェンジで乗り心地の向上を切望

販売絶好調のライズ&ロッキーだが、乗ってみると乗り心地やハンドルを通して感じるステアリングフィールなどに安っぽさを感じるのも事実だ。このあたりが極力コストを掛けずに改善されると、ライズ&ロッキーはさらに競争力が高まるに違いないので、早急な改善を期待したい。

>>トヨタ ライズのマイナーチェンジモデルはどうなる!? ハイブリッドの追加はなく、特別仕様車などお買い得モデルが追加される可能性大

【筆者:永田 恵一】

トヨタ/ライズ
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新車価格:
170.7万円232.8万円
中古価格:
140.4万円302.3万円

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永田 恵一
筆者永田 恵一

1979年生まれ。26歳の時に本サイトでも活躍する国沢光宏氏に弟子入り。3年間の修業期間後フリーランスのライターとして独立した。豊富なクルマの知識を武器に、自動車メディア業界には貴重な若手世代として活躍してきたが、気付けば中堅と呼ばれる年齢に突入中。愛車はGRヤリスと86、過去には日本自動車史上最初で最後と思われるV12エンジンを搭載した先代センチュリーを所有していたことも。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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