トヨタ、「電動化に遅れ」報道を一蹴!?|EV・PHVの核心たる重要技術を”革新”

  • 筆者: 国沢 光宏
  • カメラマン:トヨタ自動車・オートックワン編集部

電動化の流れは止められない! ならば・・・とトヨタが挑んだ大きな”宿題”とは

今や電気自動車の普及は大きな流れになってきた。

大雑把な流れをまとめれば、来年からアメリカと中国で厳しい規制に対し本格的な対応をしなければならず、その後、2030年あたりからヨーロッパやインドなどでも電気自動車のニーズは増えていくことになる。

そんな中、いろんな”宿題”を解決していかなければならない。今回トヨタが発表したのはモーター分野の”宿題”である。

希少かつ産地が限定されるレアアースに依存する高性能モーター技術

ご存じの通り電気自動車に使われる高性能モーターを作ろうとすると「ネオジム」という特殊な素材を使わなければならない。

2代目プリウスが登場した2003年あたりは高性能磁石以外に用途少ないということから需要少なく、価格も適当な相場で安定していた。

しかし2005年あたりから中国は「これは戦略的な資源だ」ということに気づく。“ネオジム”中国で多く採れるため、相場のコントロールをしようと画策する。

なんせネオジムの主要産地は中国。イッキに価格は上昇し、ネオジムをたくさん使っていたプリウスなどは途中で値上げをしなければならない状況になってしまったほど。

相場だけに限らない。ネオジムの埋蔵量を世界的に評価しても、近い将来、電気自動車の普及と共に足りなくなってしまう。絶対量が少ないレアアース(希土類元素)なのである。

ネオジムを何とかしない限り(正確に書くとネオジムだけでなくディスプロシウムとテルビウムという、食べ物で言えば塩や香辛料にあたる素材も必要)、電気自動車を作れない。

モーター業界任せになんかしない! ”自前主義”のトヨタが動いた

多くの自動車メーカーが「モーター業界がなんとかするでしょう」と思っている中、トヨタは「この宿題を仕上げない限り電気自動車の将来など無い」と考えているようだ。その通りだと思う。自分の運命を他人に任せるようなものだからだ。

長い前置きになってしまったけれど、今回トヨタが発表したのは、ネオジムの使用量を大幅に削減する技術「省ネオジム耐熱磁石」。

新しい技術を使うことにより、ネオジムの使用量を20~50%減らすことが可能になり、同時にネオジムより高価なディスプロシウムとテルビウムは不要になるというから素晴らしい。

ネオジムの使用量を半分に減らせられれば、2025年にもやってくるネオジムの供給量不足を先延ばしに出来る。それまでに次の世代の磁石を作ればよい。

■参考:トヨタ、希少なレアアースを削減した世界初のモーター用新型磁石を開発[自動車ニュース]

トヨタが「電動化に遅れ」報道を一蹴!?

昨年末からトヨタは次々と自動車の電動化に必要な技術の核心的な発表をしている。これまで取材不足のため、多くのメディアがトヨタに対し「電動化技術で後れを取った」と盛んに報道していたけれど、これに対する意趣返しか?

いずれにしろ電気自動車戦線の本格的なバトルが始まるのは来年。各社どう対応するか注目したい。

[レポート:国沢光宏]

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筆者国沢 光宏

1958年生まれ。ベストカーガイド編集部員を経て自動車評論家に。空気を全く読まず言いたいことを言い、書きたいことを書くので自動車メーカーから嫌われている。現在所有しているクルマは日産 リーフやトヨタ MIRAIなど多数。趣味はラリーに出場すること。人気のない(本人談)Webサイトを運営中。記事一覧を見る

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