トヨタ プリウス 試乗レポート/松下宏 編
- 筆者: 松下 宏
- カメラマン:原田淳
プリウスの走りはいかにもフル(ストロング)ハイブリッド車らしい静かで気持ち良いものだ。発進時にバッテリー残量がインジケーターの2コマ分あればエンジンを使わずに走れるので、たいていの発進はモーターだけで走り出す。しかもEVモードを選択すれば、かなりの距離をモーターだけで走れる。また信号待ちのときもほぼ確実にエンジンが停止して、しんとした静かさがあるのがプリウスの良いところ。フルハイブリッド車らしさがいっぱいに表現されたクルマといえる。
EVモードはアクセルを踏み込むと解除されてしまうが、慎重に走れば、距離にして2kmくらいまで、車速は50km/h以上の領域まで電気だけで走れる。この間にはガソリンを消費しないのですから燃費が良くなるのも当然だ。
今回のプリウスではほかにECOモードやパワーモードのスイッチが中央に設けられている。ECOモードを選べばエンジンの回転を制御したり、エアコンの働きを抑えるなど、燃費志向の走りを実現するし、パワーモードを選べばエンジンを電気モーターを足し算した力強い走りが得られる。状況に応じてさまざまな走りが選べるようになったのも良い点だ。
エンジンの排気量が1.8Lに拡大されたのは高速道路でのクルージング時の余裕につながっている。それも、時速100km/hでのクルージング中のエンジン回転数は1,700回転ほどに抑えられているとのこと(タコメーターがないので聞かないと分からない)で、高速での走りもとても静かなものだった。
全体として気持ち良く走れたプリウスだが、グレードというか、タイヤというか、仕様による違いも感じられた。好ましい印象が得られたのは17インチタイヤ(ミシュランのプライマシーHP)を履いたGツーリングセレクションで、標準車の15インチに対してちょっと大きめのタイヤだが、引き締まった感じの走りのフィールがあると同時に乗り心地も悪くなかった。
これに対してもうひとつの印象を受けたのがベースグレードのLで、こちらは15インチタイヤ(グッドイヤーのGT3)が装着されていた。運転した印象はロードノイズなど室内騒音がやや大きめだったほか、乗り心地も悪くはないが特に良くもないという印象。音について言うとほかのグレードでは気にならなかった回生ブレーキが働くときのウィーンという音もはっきり聞こえた。またステアリングフィールがもうひとつすっきりしない点などにも物足りなさがあり、ほかのグレードに比べて走りの質感が低い印象を受けた。
ベースグレードのLには205万円の衝撃的な価格が設定されている。しかも車両重量がGやSに比べて40kg(実質50kg)も軽いので、このグレードだけが38.0km/Lの低燃費を達成している。
価格と燃費の要素を考えたら、普通ならLがお勧めグレードになるところだが、乗った印象は必ずしもお勧めグレードとは言えないものだった。
クルマとしての魅力を重視するならSツーリングセレクションが最もお勧め。
17インチタイヤを履く分だけ最小回転半径がちょっと大きくなるものの、総合的なバランスで考えてもSツーリングセレクションが最も良いと思う。
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