次期マークXはFFになる!? ならばあえて今、希少なFRの新型マークXを狙うのは大いに”アリ”
- 筆者: 国沢 光宏
- カメラマン:小林岳夫
2016年11月、トヨタの高級セダン「マークX」がマイナーチェンジを実施した。今や希少なFRセダンのマークXだが、新たに安全装備の衝突回避支援パッケージ”Toyota Safety Sense P”を全車に標準装備化したほか、スポーティグレード「RDS」を追加するなど、現行型デビューから8年を過ぎ、次期モデルの噂すら聞こえる中でも、進化の手はまだまだ止まらない。そんな新型マークXの実力について、人気自動車評論家の国沢光宏氏が改めて出した答えとは。
マイチェンで新型マークXにも自動ブレーキ”セーフティセンス P”標準装備化
どういうことか。そもそもアッパーミドルクラスの後輪駆動セダンは絶滅危惧種になってしまっており、世界中を見まわしてもBMWとメルセデス・ベンツ Cクラス、キャデラック ATSとジャガー XE、日産のスカイライン、そしてトヨタ(とレクサス IS)だけ。中でも300万円を切るモデルは、世界的にマークXだけになってしまった。
ちなみにマークXのスターティングプライスはフル装備で265万6800円とリーズナブル。しかもベースグレードだって自動ブレーキ(レーダー+単眼カメラを使う”Toyota Safety Sense P”)や、サイド&カーテンエアバッグ、HIDヘッドライトなど標準で付く。何ら不満無し。
その上のグレードを選ぶかどうかについちゃ「お好みで」と書いておく。繰り返すけれど、ベースグレードで必要な装備は全て付いていると思う。
滑らかかつ軽快な2.5リッターの走り
ドライビングシートに座りエンジンを掛けると、最近珍しくなったV型6気筒 2.5リッター NAの”4GR-FSE”が滑らかに回り出す。Dレンジをセレクトして走り出すと、やはり鷹揚な感じでステキ。
それでいて1510kgという、今どきの大柄なミニバンと比べれば十分に軽いボディに203馬力のエンジンを搭載しているため、軽快に走ってくれる。日本の交通状況なら、必要にして十分以上の性能だと思う。
日本車が苦手とする乗り心地も穏やかで上質。何とか納得出来るレベルに届いている。
これで一段と滑らかに動く良質のダンパーに交換してやれば、高速域でのハンドリングを重視したBMWやメルセデス・ベンツと真正面から勝負出来る「日本車の風味」になるかもしれない。もし自分でマークXを買ったなら、徹底的に足回りを追求してみたいと思うほど。
FRらしく素直でスムーズなステアリングフィール
FR(後輪駆動車)ということもあり、ステアリングフィールは素直かつスムース。
全長4770mm×全幅1795mmと決して小さいボディじゃないものの、ハンドルの切れ角が大きいため最小回転半径は5.2mと、プリウスの5.1mと大差なし。日本の道路環境でストレス無く日常的に使える上限サイズと言ってよいかもしれない。
自動ブレーキは、2016年11月のマイナーチェンジでレクサスと同じ高機能型、Toyota Safety Sense Pが付くようになった。ただ先行車追随クルーズは自動停止しないタイプ。「レクサスだって同じだから」という言い方も出来るけれど、今やプリウス級だって自動停止する。
またマークXにはアイドリングストップも付かず、この2つをマイナス点としておく。
次期マークXはFF!? あえて今のマークXを狙うのは大いに”アリ”
ただ自動ブレーキとしての機能は平均点以上だし、アイドリングストップも流れの良い道ばかりで走っていれば「稼働しない」。このあたりは人によって評価が違うかもしれない。
いずれにしろ次期型はFF車になると言われている。ここで最後の後輪駆動マークXを乗っておくのも楽しいと思う。改めて試乗してみて、私も欲しくなってしまいました。
[レポート:国沢光宏/Photo:小林岳夫]
トヨタ 新型 マークX 250RDS[FR] 主要諸元
全長x全幅x全高:4770X1795X1435mm/ホイールベース:2850mm/車両重量:1520kg/エンジン種類:V型 6気筒 「4GR-FSE」型 DOHC ガソリン直噴エンジン/総排気量:2499cc/最高出力:203ps(149kW)/6400rpm/最大トルク:24.8kg-m(243N・m)/4800rpm/使用燃料:無鉛レギュラーガソリン/トランスミッション:スーパーインテリジェント6速AT(6 Super ECT)/サスペンション形式:(前)ダブルウィッシュボーン式(後)マルチリンク式/タイヤサイズ:235/45R18 94W/メーカー希望小売価格:3,850,200円[消費税込み]
愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!
-
一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?
これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。
-
一括査定は本当に高く売れるの?
これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は最短3時間後、最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。