トヨタ マークX 試乗レポート
- 筆者: 石川 真禧照
- カメラマン:原田淳
今までのマークIIユーザーとともに新しいユーザーにもアピール
マークXは、マークIIの10代目にあたるモデルだ。90年代初めの「ハイソカーブーム」で一気に人気を高めたマークIIも、悩みはユーザー年令の高齢化。最近では50代半ばまでに上昇してしまった。しかも、クラウンと異なり、マークIIのイメージはあまり好感をもってもらえないこともわかった。
そこで、フルチェンジを機にX(エックス)と変えた。この変更は大正解だったようで、それまでのマークIIユーザーからも再注目され、さらに新しいユーザーも獲得したのだ。実際に、発売前から「エックス」という車名を打ち出したティザーキャンペーンを行った(トヨタとしては珍しい)こともあり、11月9 日の正式発表には、すでに1万台の受注があったという。
V6エンジン、2.5Lと3L、6速AT(FR車)のグレードは250Gと350Gが基本形。これにパッケージ仕様が組み合わされている。
凝ったつくりの室内照明は高級感を演出している
300Gのエクステリアはノーマル仕様。特徴であるリアバンパー下の左右2本出しディフューザーパイプも装備されている。テールランプのリアフォグランプは10,500円のオプションで装着できる。
タイヤ/ホイールは215/60R16+7JJアルミホイールが標準装備。オプションで225/45R18+8JJアルミホイールが7万9800円!(タイヤとアルミホイール4本でこの価格だ)で装着できる。16インチと18インチの走りの違いは、あとでレポートする。
インテリアではシートヒーター付の本革シートが19万4250円で用意されている。マークXのインテリアは、とくに照明に凝っており、天井には21個の LEDによる灯りが点灯する。さらにセンタークラスター、ATシフトパネル、ドアアームレストにも照明が付いている。エレクトロマルチビジョン装着車は、助手席のドアハンドル近くに、オーディオのコントロールスイッチも付いている。
300Gのサスペンションには18インチタイヤの方がしっくりくる
エンジンはV6の3.0Lが「300G」用。256馬力の最高出力と32.0kgmの最大トルクに6速、マニュアルシフトモード付のオートマを搭載。後輪を駆動する。
まず16インチタイヤのモデルから試乗する。低速域でのハンドルは軽め。きりこみも軽く、扱いやすい。車速を高めると気になるのがタイヤノイズだった。エンジン音などが静かなので、気になる。
乗り心地は目地や凹みを越えるときにややドタつく感じがある。かためなのだがあまりスポーティではないのだ。
一方、18インチタイヤを装着したモデルで走り出すと、タイヤノイズは小さく、乗り心地も悪くない。このサスペンションには18インチタイヤのほうが合っているように感じた。
先ほども書いたが4本で8万円弱の価格なので、交換をすすめたい。
3Lエンジンは1500回転からトルクがあり、余裕の走りが楽しめた。
若い世代にもおすすめしたい。インテリアセンスや軽快な走りが気に入るはず。
V6、3Lエンジンを搭載するモデルは、300Gと300Gプレミアムの2グレード。プレミアムは、VSCとTRC、スマートエントリー&スタートシステム、SRSサイドエアバッグ&カーテンシールドエアバッグなどが標準装備になる。
車両価格はプレミアムが354万9000円、ノーマルの300Gは323万4000円になる。
これに18インチタイヤを装着すると、約8万円のプラスだ。
プレミアムは、便利さと安全性を買う、ということになる。動力性能などは同じと考えてよい。
今回の300G系は、これまでのマークIIオーナーよりも若い世代、40代にすすめたい。とくに、BMWの3や5シリーズに乗っているが、BMWマニアでない人に、1度試乗してもらいたいと思う。きっと、インテリアのセンス、走りの軽快さが気に入るはず。高くない価格設定も魅力だ。
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