トヨタ 新型ハイラックス 特別モデルを速攻試乗！その実力とは(3/4)

ベースグレード「Z」の悪路走破性を試す！悪路で光る“トヨタクオリティ”を体感

ベースグレードのZでは、悪路の特設コースも試乗した。ステアリングシステムがラック＆ピニオンのためか、路面状態によってはハンドルを取られる（ハンドルが路面のデコボコに合わせて勝手に回ろうとする）。このキックバックの傾向は見られたが、不具合を感じるほどではない。

悪路の走破力は高い。ZではH4（4輪駆動のハイモード）とL4（4輪駆動のローモード）で、アクティブトラクションコントロールが作動する。空転が発生して立ち往生しそうになった時は、そのホイールにブレーキを作動させ、接地しているほかのタイヤが駆動力の伝達を維持する仕組みだ。

この制御はすべて自動で行われるから、デコボコの激しい滑りやすい悪路でも、難しい運転技量を要さない。下まわりを擦らないように注意してハンドル操作をすれば、小刻みに4輪独立ブレーキを作動させながら、ジワジワと進んでいく。

“緊急用”の機能も搭載、その性能とは

リア側のデファレンシャルギヤをロックする機能もあるが、これはヌカルミからの脱出など緊急時に使う機能だ。リアデフロックを使った時は、アクティブトラクションコントロールが解除されるため、リアデフロックの作動によって走破力が下がったり挙動変化が大きくなる場合もある。通常の走行ではアクティブトラクションコントロールを使い、L4でも脱出できない時に、リアデフのロックを試すのが良い。

このほか、滑りやすい下り坂を安定して走破できるダウンヒルアシストコントロールも装着した。この時も4輪のブレーキが独立して自動制御され、ドライバーはハンドル操作に専念できる。下り坂で車両が横滑りを生じると、横転の危険が高まるので、安全性も向上させる。

なおハイラックスの4WDはパートタイム式で、前後輪の回転数を調節するセンターデフなどを備えていない。そのために4WDの状態で舗装路を走ると、カーブを曲がる時にブレーキが掛かったような状態になる。従って4WDは、雪道や悪路など滑りやすい悪路のみで使用する。

悪路走破性と自然な乗り心地を兼ね備えたモデル

エンジンは前述の2.4リッタークリーンディーゼルターボを搭載する。最高出力は150馬力（3400回転）だが、最大トルクは40.8kg-m（1600～2000回転）と高い。1300回転前後から駆動力が立ち上がり、粘り強さが求められる悪路走行でも運転しやすい。

1500～3000回転付近が最も得意な領域だが、ディーゼルでは吹き上がりも滑らかで、ATのシフトアップは3800～4000回転で行われる。タコメーターのレッドゾーンは4400回転以上だ。最高出力を超える回転域まで回しても意味はないが、運転感覚は自然な印象に仕上げた。

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