これは紛れもなく“ピュア・スポーツカー”の領域だ!「トヨタ GRヤリス」サーキット試乗(2/3)
- 筆者: 山田 弘樹
- カメラマン:小林 岳夫
前後トルク配分を3段階に制御出来るスポーツ4WDを試す!
となれば残るは、そのパワーとトラクションを制御するスポーツ4WDシステムの出来映えだ。
トヨタが30年ぶりに本腰を入れたスポーツ4WDシステム「GR FOUR」には、その前後トルク配分を3段階に分けて制御できる電子制御式カップリング「ITTC」(インテリジェント・トルク・コントロールド・カップリング)が搭載されている。
ノーマルモードは60:40。これをスポーツモードに入れることで、その前後トルク配分は30:70とリア寄りになる。そしてトラックモードでは、これが50:50の均等配分になる。
イメージ先行で言うと、スポーツモードの走りが一番サーキットでは適しているのではないか。フロントトルクを減らすことでターンインはさらに鋭くなり、アクセルオンでそのヨーイングをドリフトにまで持ち込めるのではないか? と思ったのだが、それは良い意味で裏切られた。もっといえば、昨年のプロトタイプで試乗した時から変わりはなかった。
リア寄りの「スポーツモード」30:70を試す
確かにターンインでは、他のモードよりも、アクセルオフからのフロントの入りが素直だ。ブレーキをゆっくりとリリースしながら舵を入れて行けば、スーッとリアが追従して向きを変えてくれる。
しかしここからアクセルを入れても、GRヤリスはドリフトしない。すぐさまそのトラクションがヨーモーメントを吸収し、姿勢を正してターンアウトしてしまう(してくれる)のである。
それでも朝一番のウェット路面で試乗したジャーナリストの話を聞くと、FRライクな挙動は見られたという。またもっと横Gが高くなるコースならば、この前後トルク配分を楽しむステージになるのかもしれない。
ホンキの「トラックモード」50:50、その実力は
そして最後は「トラックモード」。個人的にはこれが一番、現状でのイニシャルセッティングにマッチしていると感じた。
フロントトルクが50%となった分、アンダーステアは確かに増える。しかし同時にダッシュ力も増えるから、全体の動きがシャープに。そしてターンインまでの進入速度が、高くなるのである。
ここで活躍するのが、強力かつコントロール性の高いブレーキシステムだ。高い車速を一気に殺すと同時に、フロントに大きく荷重を与えてくれるから、ターンインではフロントに荷重がグッと乗る。また複合コーナーのような難しい場面でも、微妙な踏力調整が可能だから姿勢が作りやすい。
6速MTの感触はカッチリしており、忙しいコクピットでも正確な操作が可能となる。
やっぱり、このサイズ感がイイ!
派手なモーションは一切なくても、その挙動の中には小さなドラマが幾つもあった。微妙なスライドや、アンダーステアを調整しながら、弾丸のようにすっ飛んで行く4WDの走りは刺激的だ。やっぱりこの、小ささがいい。
速く走ろうとすればするほどクルマの良さが引き出され、乗り手も集中力が研ぎ澄まされて行く。その走りはコンペティションレベルのスポーツ性であり、このモードがGRヤリスの、真の姿なのだと感じた。
そして同時に、「もう少しだけ曲げてみたい。これに車高調を入れて、思い通りのステアバランスを作り出してみたい!」と強く思った。
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