新ジャンルクロスオーバー”トヨタ C-HR”が改めて問う、クルマ本来の愉しさ(1/4)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂幸正
超人気モデルを初めて公道で試す
発売開始直後の新型SUV「トヨタ C-HR」を公道で初試乗した。4代目プリウスに続き採用された”TNGA”(Toyota New Global Architecture)の乗り味とは。デビュー早々バックオーダーを抱えるほどの超人気モデルC-HRのインプレッションを、自動車評論家の渡辺陽一郎さんが速報でお届けする!
実用性”ばかり”重視したクルマだらけじゃつまらない!
最近の新型車は、日産 セレナ、ホンダ フリード&フリードプラス、トヨタ ルーミー&タンク/ダイハツ トール/スバル ジャスティなど、背の高い空間効率の優れた車種が目立つ。居住性が快適で、荷物を積みやすい実用的なクルマは大切だが、それだけでは味気ない。運転の楽しい車種ならマツダ ロードスターRFも発売されたが、2シーターのスポーツカーは逆に実用性が低く、使いにくい面もある。
そんな中、実用性と趣味性のバランスで注目されるのがSUVだ。2016年12月14日にトヨタ C-HRが発売された。全長が4360mm、全幅が1795mmのボディは少しワイドな印象もあるが、SUVの中ではコンパクトな部類に入る。日本の使用環境にも適する。
エンジンは1.8リッターをベースにしたハイブリッド(駆動方式は前輪駆動の2WDのみ)と、1.2リッターのターボ(4WDのみ)で、前者の全高は1550mmだから立体駐車場も使いやすい(ターボの4WDは1565mm)。全国に約4900店舗を展開するトヨタの全店で買えるメリットもあり、注目しておられる読者諸兄も多いと思う。
外観は新鮮でカッコイイが、眺めていると「これがSUVなのか?」という疑問も沸く。最低地上高はハイブリッドの2WDが140mm、ターボの4WDでも155mmだ。一般的にSUVは悪路の走破も視野に入れて180~200mmを確保する。そこで開発者に「C-HRはSUVなのか?」と尋ねた。
これは旧来の”SUV”とは別のジャンルのクルマ
「C-HRはSUVとは考えていない。重役からSUVならルーフレールやサンルーフが必要だろうといわれたが、海外仕様も含めて設定はない。一般的な表現ではクロスオーバーだが、背の高いオーリスともいえる。重視したのは何よりも走りとデザインだ」との返答だった。
オジサン世代的には、適度なサイズに収まっていた時代のスポーティなセダンやワゴンを思い出す。『家族で使えて、運転感覚も楽しく、外観もカッコイイ』というクルマだ。かつてのスポーティセダン&ワゴンに今の実用的なトレンドを加えれば、ハッチバックスタイルのC-HRになるのだろう。悪路を走ったり荷物満載でレジャーに使うSUVではない。
そうなるとコンセプトは日産 ジュークに近いが、ターボが4WDのみなのはツジツマが合わない。そこも開発者に尋ねると「海外向けにはターボの2WDや2リッターの自然吸気エンジンも用意している。ただし選択肢を抑えたいので国内仕様のターボは4WDのみにした」と言う。
価格が最も安いターボのS-Tは251万6400円だ。これを2WDにしたと想定し価格差を22万円と勘案すると、229万6400円程度に抑えられる。最大のライバルとなるホンダ ヴェゼル RS ホンダセンシング (2WD/239万円)や、マツダ CX-3 XD プロアクティブ (2WD/259万2000円)と比べても割安感が生じる。グレード構成にはメーカーの都合が感じられて少し寂しい。
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