【DESIGNER’S ROOM】スバル「レヴォーグ」デザイナーインタビュー/富士重工業株式会社 デザイン部 主査 チーフデザイナー 源田 哲朗(6/8)
- 筆者: 森口 将之
- カメラマン:オートックワン編集部・SUBARU
コンセプトカーのイメージを受け継ぐボディカラー
AO:レヴォーグのボディカラーについての考えを聞かせてください。
G:新色のスティールブルーグレーメタリックは、アドバンスド・ツアラー・コンセプトの色をキーイメージとして量産化したものです。クリスタルホワイトパールもレヴォーグから採用した新色です。人工パールを採用しました。天然パールに比べると粒子が揃っていて、白さと陰影の表情がキレイに出ます。さらにスポーツカーの色として、BRZと共通の赤(ライトニングレッド)と青(ギャラクシーブルーシリカ)も用意しました。ソリッドの赤は、かつてのレガシィ・ブリッツェンのような彩度の高さが特徴です。
ホイールもグレードごとに3色用意し、センターの六連星はブルーの表情を際立たせ立体感を強調し、ホイールの仕様によってスピンドル仕上げのシルバーとアクリルのブラックを使い分けています。
組織の壁を越え誕生した仕立ての良さ
AO:インテリアはどんなイメージで仕立てましたか。
G:おもてなしと品格、ひと目で分かる先進感と仕立ての良さをコンセプトとして表現しました。インパネを水平基調としたのは、スバルのお客様が期待する、安心・安全、信頼、視界の良さ、ということをデザインとして表現した結果です。
AO:上質感の演出が目立ちます。
G:今回我々は「仕立ての良さ」にこだわったのですが、そもそも「仕立ての良さとは何か?」、そのためのモノサシ造りから始めました。その為に、PGMが陣頭指揮をとって「仕立て部会」という、「仕立ての良さ」を考える会を立ち上げました。
さまざまな部署の人間が集まって、1年以上、毎週やりました。その結果、部品同士の合わせ、ツヤ感、シートの起伏の表情、可動部の音やフィーリングなど、さまざまな部分の“トーン”が合っているということが、仕立ての良さに密接な関係があると改めてわかり、その考えに沿って仕上げていきました。欧州の高級車などに見られる高触感革をGT-Sのシフトレバーやステアリングに採用しましたが、これも仕立て部会の実績と結果です。
AO:その過程ではいろいろ苦労もあったと思いますが。
G:たとえばGT-Sのセンターコンソールシフト周りの表皮は、職人がひとつひとつ手作業で貼りこんでいるのですが、試作段階ではステッチが蛇行するなど最初はなかなか品質が安定しませんでした。生産現場まで出向いて、いっしょに改善していきました。ステッチの部分が出っ張ると質感が低く見えてしまい感触も良くないので、中の型を凹ませたり、貼りこみ方も工夫を重ねて目標の質感、仕立ての良さを実現しました。また、仕立ての良さだけでなく、ソフトな素材により膝当たりを良くすることで運転姿勢にも寄与するような機能性も併せ持たせています。
ハザードランプのスイッチの表現にもこだわりました。クリアで透明感のある輝きを実現するため、裏面にダイヤカット形状を織り込んで、更に奥の素材との間にごくわずかな隙間を設けて、光の屈折と反射を効果的にすることで狙いの輝きを実現しました。
スバルの魂はステアリングやシートの細部にまで込められる
AO:ステアリングやシートの形状も凝っていますよね。
G:ステアリングはスバル初のDシェイプステアリングで、外径も小さく、握りはもっとも太くなっています。センターディスプレイに表示の一部を割り振るなどの工夫で、ステアリング越しに見るメーターをコンパクトにでき、ステアリングも小径にできました。リング断面は他車のスポーツカーを徹底的に調べ上げ、自然に手を置いて確実に握れるスポーツフィーリング溢れる形状を実現しました。
シートはスポーツカーとして安心して身を委ねられるホールド性能を第一に考えました。
特に、GT-Sはスポーツカーとしてのより高いホールド性能と記号性からもバケットタイプにしましたが、年齢層が上のお客様も多いので、乗り降りのしやすさも兼ね備えた形状を実現しました。
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