スバル 新型レヴォーグに速攻試乗! SUBARUがこだわる“走る”“曲がる”はどこまで進化を遂げたのか

  • 筆者: 嶋田 智之
  • カメラマン:小林岳夫・SUBARU
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完全に生まれ変わったSUBARU 新型レヴォーグ。今回はプロトタイプのレヴォーグ STI SPORTへ実際に乗ってみた印象についてお届けしよう。スバリストの皆さんが最も気になっているであろう、新開発エンジン&プラットフォームが生み出す次世代の走りはどうだったのか。モータージャーナリストの嶋田 智之氏が現場からアツくレポートする!

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  1. 「こんなによくなっちゃったの!?」新旧レヴォーグを乗り比べてわかった格段の進化
  2. ステアリングを切ったとき意のままに操れる感覚が「超キモチいい!」
  3. スバルらしい気持ちよさを感じさせてくれるスポーティなクルマ

「こんなによくなっちゃったの!?」新旧レヴォーグを乗り比べてわかった格段の進化

前回ご紹介した新型レヴォーグ解説で、「新型でチェックしておきたい3つのポイント」を挙げた。

1:新しい骨格、シャシーとステアリング、エンジンが生み出す走りの味の進化。

2:新世代アイサイトのアドバンテージ。

3:インフォテインメントシステムはじめ日常的な使い勝手の進化。

の3つだ。

今回はまず1番目の「新しい骨格、シャシーとステアリング、エンジンが生み出す走りの味の進化」についてご紹介していこう。

限られた条件下での試乗だが、その進化は確実に確認出来た

実際に走らせてみて、新しいスバル レヴォーグ──繰り返すけど生産型試作車というべきプロトタイプだ──は、どんな印象を与えてくれたか。

今回の試乗はテストコースで行われたためにシチュエーションが限定されていた。

最も元気よく加速できるところでも直線で90km/hまで、ダブルレーンチェンジは60km/h程度の一定速度、1/2定常円は50km/h程度まで、スラローム区間も60km/hまでの一定速度で、凸凹のハーシュネス区間は20km/h…と目安が定められていた。タイヤのブラックマークをつけたらダメというコースの規定に合わせるためのもので、実力の奥深さを試す機会はまた別に……ということだろう。

現行型レヴォーグ STI Sportとの比較テストを実施

なお当日、新型レヴォーグの最上級グレード「STI Sport EX」(1.8ターボ・プロトタイプ)と、現行型レヴォーグ STI Sport(1.6ターボ)の2台を試すことが出来た。

その試乗コースの範囲内で走らせた限り、新型レヴォーグの全体的な完成度はかなり高いように感じられた。比較のために用意されていた初代レヴォーグの1.6リッターターボも、そちらを走らせている限り、不満らしい不満は何も感じられないのだ。が、新型に乗り換えると「こんなによくなっちゃったの?」なのだから。

ステアリングを切ったとき意のままに操れる感覚が「超キモチいい!」

先代1.6ターボと比べグンと洗練されたエンジンの回転フィール

まずエンジン。全域で力強さが増して印象はあるし、速度の乗りもいい。回転のスムーズさも少し上手だ。あまり高回転域を使えないシチュエーションだったこともあって、際立ってパワフルになったとかものすごく速くなったという感覚はなかったけど、ゆっくり低速で走っている状態から加速していくとき、高速道路の本線への合流を想定した中間加速などでのチカラのツキのよさは記憶に残った。

個人的には初代レヴォーグ1.6リッターターボの──誤解を生じる言い方かも知れないが──心地のいい雑味のようなものを感じさせながら回転を伸ばしていくフィーリングもかなり好きだ。けれど好嫌じゃなくて優劣で語れと迫られたら、優れてるのは新型と答えざるを得ない出来映えである。

もっとも、ブンブン回して元気よく走ることができたわけじゃないから、あくまでもこの段階では、というお話にしておきたいところではあるけれど。

ステアリングの滑らかさと反応の良さに感心

次に感心したのは、ステアリングのフィールだった。ほんの2~3回操作したぐらいの段階で気に入った。

切り込んでいったときに伝わってくる滑らかな感触と適度な反力、そして操作したときに無意識に期待しているのとほとんど変わらないタイミングでのクルマの反応。シャープさも増している印象だ。“ステアリング・フィールがよくて反応遅れもない”という表現を目にすることがあるけれど、まさしくそれだ。

スバルらしい気持ちよさを感じさせてくれるスポーティなクルマ

“曲がる”のレベルが格段にアップしていた

熱心なスバリスト達がおそらく最も気になっている“曲がる”ことに対するモロモロはどうだったか。ここでも従来の1.6リッターターボ・モデルで全く不満を感じなかったのに、レベルが上がってるな、と思わされる。

クルマがとにかく気持ちよく、そして狙ったとおりに動いてくれる。サスペンションが綺麗に伸びたり縮んだりしてる様子が伝わってくる。コーナリングを開始して車体が傾いていくときの動きも感覚とのズレは全くないし、戻っていくときも同じ。シャキッとスポーティで、とても自然。少なくとも日常的な速度域では、かなり好印象だ。

コーナーを曲がりながらステアリングをグッと切り込んでみたり、急にアクセルを放したりして不安定な姿勢を作り出すことも試してみたが、そういうときでもリアタイヤはグッと路面を掴んでいて、ちゃんと駆動が効いてる感覚があった。車体がガッチリしたことの効き目のひとつでもあるが、もしかしたらAWDの制御にも手が入ってるのかも知れない。

もうちょっと速度域を上げて元気よく走ってみたいという気持ちがますますクッキリと立ち上がってくるぐらい、スバルらしい気持ちよさを感じさせてくれるスポーティなクルマであることは間違いない。

(続く)

[筆者:嶋田 智之/撮影:小林 岳夫・SUBARU]

※次回、新型レヴォーグの見どころその2「新世代アイサイトのアドバンテージ」についてご紹介する。感動すら覚えたアイサイトの進化はこちら!

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新車価格:
363万円508.2万円
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74万円657.4万円

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嶋田 智之
筆者嶋田 智之

本人いわく「ヤミ鍋系」のエンスー自動車雑誌、『Tipo』の編集長を長く務め、スーパーカー専門誌『ROSSO』の総編集長を担当した後、フリーランスとして独立。2011年からクルマとヒトに照準を絞った「モノ書き兼エディター」として活動中。自動車イベントではトークのゲストとして声が掛かることも多い。世界各国のスポーツカーやヒストリックカー、新旧スーパーカー、世界に数台の歴史的な名車や1000PSオーバーのチューニングカーなどを筆頭に、ステアリングを握ったクルマの種類は業界でもトップクラス。過去の経歴から速いクルマばかりを好むと見られがちだが、その実はステアリングと4つのタイヤさえあるならどんなクルマでも楽しめてしまう自動車博愛主義者でもある。1964年生まれ。記事一覧を見る

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