スバル レガシィアウトバック 試乗レポート

  • 筆者: 松下 宏
  • カメラマン:原田淳
スバル レガシィアウトバック 試乗レポート
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ステーションワゴンに由来するSUVの元祖

レガシィツーリングワゴンをベースに作られたSUV感覚のモデルがアウトバック。最低地上高を確保して悪路走破性を高めたモデルだが、2代目レガシィをベースに1995年に最初のモデルがデビューしたとき、レガシィ・グランドワゴンと呼ばれていた。それが1998年の3代目レガシィにチェンジしたときにはランカスターと呼ばれるようになり、現行の4代目レガシィではアウトバックに名前を変えている。アウトバックの名前は海外では当初から使われていたもので、これで世界的に統一されたことになる。

アウトバックは日本以上にアメリカで好調な売れ行きを示したが、それを見てボルボがクロスカントリーを作ったり、アウディがオールロードクワトロを作るなど、世界の有力自動車メーカーが相次いでアウトバックに追従するモデルを出してきた経緯がある。ステーションワゴンに由来するSUVの元祖ともいえるのがアウトバックなのだ。

少々の悪路でも楽々とこなせる最低地上高

アウトバックの全高は1545mmあって、標準のレガシィツーリングワゴンに比べると70mmほど高い設定だ。これは最低地上高が40mm~50mmほど違うことが主な理由で、ほかにアウトバックではダイレクトタイプのルーフレールが採用されることなどが影響して全高に違いが出ている。

アウトバックが持つ200mmの最低地上高はAWDと合わせて少々の悪路でも楽々とこなせるもので、これが大きな魅力となって良く売れたともいえる。

今回のマイナーチェンジでは、アウトバックには専用のグリルが与えられるなど、ほかのモデルとは違った性格付けがデザイン面でもなされている。

ただし、インテリア回りに関しては基本的にツーリングワゴンと共通で、アウトバックならでのポイントとなる部分はない。マイナーチェンジの変更点についてもツーリングワゴンと同じである。レガシィをベースに、新しい魅力を追加したのがアウトバックという位置づけだ。

走行条件に応じた自在なエンジン特性

アウトバックに搭載されるエンジンは水平対向4気筒の2.5Lと6気筒の3Lの2機種。ツーリングワゴンと違って2Lエンジンの設定はない。今回のマイナーチェンジではこのどちらも変更を受けている。6気筒3LエンジンにはSI-DRIVEが搭載されている。6気筒エンジンはバランスの良さが身上で、滑らかな吹き上がりとパワーフィールに好感が持てるほか、SI-DRIVEによっておとなしい走りからスポーティな走りまで自在に走りのモードを選べるのも魅力となる。

ただ、アウトバックを選ぶのなら、ツーリングワゴンやB4には設定のない2.5Lエンジンを選ぶのも良い。こちらはSI-DRIVEこそ設定がないが、新たに可変バルブ機構を採用したほか、吸排気系などを改良している。絶対的なパワーでは劣るものの、6気筒3Lに比べるとフロント部分の重さが軽いので、ワインディングなどを走るときの軽快感が魅力となる。アウトバックの注目モデルといえるだろう。

スムーズな2.5Lエンジンとパワフルな3Lエンジン

アウトバックのバリエーションはシンプルなもので、2.5iと3.0Rがあって、それぞれにLLビーンエディションが設定されているだけ。基本的にはどちらのエンジンを選ぶかがポイントで、さらに充実装備が欲しいならLLビーンを選ぶことになる。

とはいえ、これまた選択が難しいのが4気筒2.5Lと6気筒3Lのエンジンだ。3LにはSI-DRIVEが搭載されてさまざまな走りを楽しめるのが大きな魅力となるが、3.0Rが320万円近い価格になる。さすがにちょっと高い。

一方2.5Lエンジンは、排気量に余裕があるためトルクフルな走りが可能。しかも4気筒エンジンであるためにフロントノーズの部分が軽い感じになり、コーナーでの向きの変え方がよりスムーズになる。この魅力と50万円ほどの価格差を合わせて考えると、アウトバックでは2.5iのほうをイチ推しにしておきたい。もちろんパワフルな3.0Rも極めて魅力的なモデルであるのは言うまでもない。

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松下 宏
筆者松下 宏

自動車そのものはもとよりクルマに関連する経済的な話題に詳しい自動車評論家。新車、中古車を含めてユーザーサイドに立った的確な購入アドバイスを語ることで定評がある。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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