2012年にニュル24h「2連覇」を達成したSTI、新車投入で2013年も優勝を狙う!(2/3)
- 筆者: マリオ 高野
- カメラマン:マリオ高野
かなりの効果を期待できる「空力特性の改善」
今年のマシンは去年までと違って新車を投入。パッと見は今まで通りの現行型WRX STIのセダン版ですが、変更箇所は多岐にわたります。
まず、一番大きなポイントは「空力特性の改善」です。高速領域でフロント部分のリフトを抑えるためにアンダースポイラーを大型化、エンジンルーム内の圧力を下げるためにボンネットダクト形状を変更、タイヤハウス周りの空力特性改善のためにオーバーフェンダーをワイド化(トレッドは変わらず)、さらにはリアの下回りにディフューザーが追加されました。
空洞実験はかなり入念に行われたようで、辰己総監督は
「ニュルは高速コースなので、なるべくCd値を減らしたかった。リアのウイングは2度ぐらい寝かせて、得られるダウンフォース量は同じで抵抗だけを減らしました。ボディの改造範囲が狭いため苦労しましたが、細かい変更の積み重ねでかなり大きな効果が得られています」
とコメント。 午前中の気温が低い中で行われたテスト走行では、冷え過ぎてフロントグリルの通気口の一部が塞がれたほどで、エンジンルーム内部の空気の抜けは相当良くなっていることが伺えました。
さらに、AWDの前後駆動配分を前49:後51から前39:後61ぐらいのリア寄りとしたことで、フロント部分の負担を軽減。コーナーでの立ち上がり時には、後ろから押す感じが明らかに強まったようです。
また、サスペンションのバネレートはフロントを2kg程度下げ、リアのスタビは強めて旋回性をアップ。ダウンフォースのアップで安定性を高めつつ、ステアリングに対する応答性を高めています(ダンパーの特性も見直されています)。
吉田選手によると「リアの踏ん張りが強ければ応答性をシャープにしても安定して疲れない。これは一般的なドライバーもレーシングドライバーも同じで、私みたいな中年でも、以前に増して疲れにくいクルマになりました(笑) 24時間レースでは大きな強みになるし、そのまま市販車に直結する効果といえますね」とのこと。
テスト中、辰己総監督はフロントタイヤの摩耗具合を見て、フロントのバネレートを少し高めることを指示されていたので、今後もさらにセッティングは煮詰められて行くのでしょう。
ちなみに、3月にドイツへ渡ってからはミッションをシーケンシャルギアボックスに変更するそうです。
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