2012年にニュル24h「2連覇」を達成したSTI、新車投入で2013年も優勝を狙う!(2/3)

2012年にニュル24h「2連覇」を達成したSTI、新車投入で2013年も優勝を狙う!
2013年ニュルブルクリンク24時間耐久レース参戦車両の「SUBARU WRX STI 4ドア」 2013年ニュルブルクリンク24時間耐久レース参戦車両の「SUBARU WRX STI 4ドア」 「STI NBRチャレンジ2013」総監督の辰己英治氏 「STI NBRチャレンジ2013」新監督となった小澤正弘氏 2013年のニュル24耐へ出場するSUBARU WRX STI 4ドアのドライバー「吉田寿博」選手 2013年のニュル24耐へ出場するSUBARU WRX STI 4ドアのドライバー「佐々木孝太」選手 2013年ニュルブルクリンク24時間耐久レース参戦車両の「SUBARU WRX STI 4ドア」 2013年ニュルブルクリンク24時間耐久レース参戦車両の「SUBARU WRX STI 4ドア」 2013年ニュルブルクリンク24時間耐久レース参戦車両の「SUBARU WRX STI 4ドア」 2013年ニュルブルクリンク24時間耐久レース参戦車両の「SUBARU WRX STI 4ドア」 2013年ニュルブルクリンク24時間耐久レース参戦車両の「SUBARU WRX STI 4ドア」 画像ギャラリーはこちら

かなりの効果を期待できる「空力特性の改善」

2013年ニュルブルクリンク24時間耐久レース参戦車両の「SUBARU WRX STI 4ドア」2013年ニュルブルクリンク24時間耐久レース参戦車両の「SUBARU WRX STI 4ドア」

今年のマシンは去年までと違って新車を投入。パッと見は今まで通りの現行型WRX STIのセダン版ですが、変更箇所は多岐にわたります。

まず、一番大きなポイントは「空力特性の改善」です。高速領域でフロント部分のリフトを抑えるためにアンダースポイラーを大型化、エンジンルーム内の圧力を下げるためにボンネットダクト形状を変更、タイヤハウス周りの空力特性改善のためにオーバーフェンダーをワイド化(トレッドは変わらず)、さらにはリアの下回りにディフューザーが追加されました。

空洞実験はかなり入念に行われたようで、辰己総監督は

「ニュルは高速コースなので、なるべくCd値を減らしたかった。リアのウイングは2度ぐらい寝かせて、得られるダウンフォース量は同じで抵抗だけを減らしました。ボディの改造範囲が狭いため苦労しましたが、細かい変更の積み重ねでかなり大きな効果が得られています」

とコメント。 午前中の気温が低い中で行われたテスト走行では、冷え過ぎてフロントグリルの通気口の一部が塞がれたほどで、エンジンルーム内部の空気の抜けは相当良くなっていることが伺えました。

2013年ニュルブルクリンク24時間耐久レース参戦車両の「SUBARU WRX STI 4ドア」2013年ニュルブルクリンク24時間耐久レース参戦車両の「SUBARU WRX STI 4ドア」

「まるで路面に杭を打ってるよう」低重心化と重量配分も最適化

次に大きなポイントは、「重量配分の最適化」と「低重心化」です。

燃料タンクの搭載位置、および給油口の位置を変更。これ以外にも、後ろ寄りに移動させて差し支えのない物は後ろ寄りに配置されるようになった模様です。

吉田選手のファーストインプレッションによると、「低重心化は強く感じる。フロントエンジンなのに、クルマの中心点が中央にあるような感じで、まるで路面に杭を打ってるような感覚でした」とのこと。

さらに、AWDの前後駆動配分を前49:後51から前39:後61ぐらいのリア寄りとしたことで、フロント部分の負担を軽減。コーナーでの立ち上がり時には、後ろから押す感じが明らかに強まったようです。

また、サスペンションのバネレートはフロントを2kg程度下げ、リアのスタビは強めて旋回性をアップ。ダウンフォースのアップで安定性を高めつつ、ステアリングに対する応答性を高めています(ダンパーの特性も見直されています)。

吉田選手によると「リアの踏ん張りが強ければ応答性をシャープにしても安定して疲れない。これは一般的なドライバーもレーシングドライバーも同じで、私みたいな中年でも、以前に増して疲れにくいクルマになりました(笑) 24時間レースでは大きな強みになるし、そのまま市販車に直結する効果といえますね」とのこと。

テスト中、辰己総監督はフロントタイヤの摩耗具合を見て、フロントのバネレートを少し高めることを指示されていたので、今後もさらにセッティングは煮詰められて行くのでしょう。

ちなみに、3月にドイツへ渡ってからはミッションをシーケンシャルギアボックスに変更するそうです。

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マリオ 高野
筆者マリオ 高野

1973年大阪生まれ。免許取得後にクルマの楽しさに目覚め、ヴィヴィオとインプレッサWRXを立て続けに新車で購入。弱冠ハタチでクルマローン地獄に陥るも、クルマへの愛情や関心は深まるばかりとなり、ホンダの新車セールスマンや輸入車ディーラーでの車両回送員、ダイハツ期間工(アンダーボディ組立て)などを経験。2001年に自動車雑誌の編集部員を目指し上京。新車情報誌やアメ車雑誌の編集部員を経てフリーライターとなる。編集プロダクション「フォッケウルフ」での階級は「二等兵」。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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