スバル WRX STI S206 試乗レポート/河口まなぶ(2/3)
- 筆者:
- カメラマン:茂呂幸正
320psの圧倒的な気持ち良さとCクラスのような乗り心地
そんな見た目だから、誰もが乗る前はハードに締め上げられて路面を踏みしめるがごとく走る…と想像する。
しかし誤解を恐れずに言い切ってしまえば、走らせた瞬間に感じるのはBMW 3シリーズやメルセデス・ベンツ Cクラスのスポーティなサスペンションを装着したモデル…と表現できる乗り心地なのだ。
320psにまで性能アップされたエンジンは、速さはもちろんだが気持ち良さが圧倒的。やはり細かなところにまで気を使って組まれているだけあって、吹け上がりの良さと力強さの融合が1ランク上にある。
しかもフレキシビリティが高いから、おそらく街中では高いギアで低回転でも扱い易いため燃費も悪くなく、それでいて回した時の圧倒的な気持ち良さと速さを存分に味わえるわけだ。
そして高い回転まで使って痛快な加速を紡ぎ出して行った時、S206はその高いハンドリング性能をドライバーの感情に強くインプットしてくれる。
さっきまでドイツ製のスポーツセダンを思わせていたサスペンションが、固くもなく柔らかくもない実に良い塩梅で動きだし、ボディをしっかりとコントロールして、高いフラット感を保ちつつもしっかりと路面を捉えていくのだ。
しかも決してガチガチとした感じで踏ん張るのではなく、あくまでしなやかな感覚を失わない。さらに驚きはそうした感触がかなり高い速度域まで持続することだ。
だから、S206は東名の大井松田—御殿場間などは、圧倒的な気持ち良さと速さを味わえるステージになるだろう。
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