ブリヂストン ランフラットタイヤ「POTENZA S001 RFT」レポート(2/4)

  • 筆者: 竹岡 圭
  • カメラマン:株式会社ブリヂストン
ブリヂストン ランフラットタイヤ「POTENZA S001 RFT」レポート
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ブリヂストンがランフラットタイヤに取り組む理由

ブリヂストンでは、1980年代からランフラットタイヤをリリースしてきた。

最初は障害者用としてリリースし、1987年にポルシェ959への標準装着を皮切りとして量産化が始まる。

その後、2005年に乗り心地の改善を行い、BMW 3シリーズに標準装着され、再び2009年に「熱をコントロールする技術」を取り入れ、さらなる乗り心地の改善が図られるなど着実に進化を続けていく。

今回の新製品は、その流れの上にあるのだ。

こうして、ブリヂストンがランフラットタイヤに取り組むのにはいくつかの理由がある。

廃タイヤが少なくなるという環境への寄与、スペアタイヤが不必要になるというクルマのデザイン性への寄与、またタイヤへの感心が低い層がドライバーの半数以上というデータを鑑みた安全性への寄与が挙げられる。

また、今後はシニア層や女性ドライバーのさらなる増加が予想できるため、パンク発生時の操縦安定性を含めた不安解消、交換の手間や技術への懸念解消、特に夜道や交通量が多いところで交換する際の安全性向上なども考えられている。

つまり、ブリヂストンではバイアスタイヤ→ラジアルタイヤ→ランフラットタイヤという、タイヤの進化の流れを想定しているのだ。

さて、そのような流れで誕生した新製品「POTENZA S001 RFT」の特徴は、「熱をコントロールする技術」をさらに進化させるために、新サイド補強ゴムやクーリングフィンを採用したことだ。

新サイド補強ゴムとは、ゴム内のカーボン同士が擦れあうことによって発生する熱=スス熱を抑えるために、カーボンを分散させることで擦れを防ぐ、ナノプロ・テックという技術を採用した補強ゴムのこと。

一方、クーリングフィンとはタイヤのサイド部に施された乱流を発生させるようなデザインのことを指し、冷たい空気をタイヤ表面へ送ることで、タイヤ表面の熱を奪うという仕組みになっている。

つまり、内側と外側の両方から、熱を抑える仕組みになっているのだ。

ちなみに熱をコントロールすることが、乗り心地の向上になぜ効果的なのか?というと、セルフサポート方式のランフラットタイヤは、サイド部に補強ゴムを追加して作られているため、

ゴムが厚くなる→タイヤがたわみにくくなる&重くなる→乗り心地が悪くなる

というデメリットを持っている。

しかし、たわみやすいゴムではパンクしたときにつぶれてしまうので、パンクしたときにもつぶれないような技術を盛り込みつつも、通常時はきちんとたわむ薄い補強ゴムを使う必要がある。そのためには、発熱を抑えなければならないのだ。

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竹岡 圭
筆者竹岡 圭

OLを経て、自動車専門誌を皮切りに、モータージャーナリスト活動を開始。国内外のレース、ラリーなど自らモータースポーツ活動に関わりながら、海外のモーターショーを精力的に回るなど、なにごとにも積極的に取り組んできた結果、近年は一般誌、女性誌、Web媒体、新聞、TV、ラジオなど、その活動はとても多彩なジャンルに広がっている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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