2010年年間新車販売ランキング/松下宏(1/2)

2010年年間新車販売ランキング/松下宏
トヨタ プリウス ダイハツ タントエグゼ 日産 新型マーチ ダイハツ 新型ムーヴ 日産 新型セレナ ホンダ 新型ステップワゴン 画像ギャラリーはこちら

2010年は前年比7.5%増の回復を示すものの、500万台には至らず

2010年の新車販売台数は登録車が3,229,716台と、前年に比べると10%以上増加し、改めて300万台の大台を確保した。

一方、軽自動車は1,726,322台で2%ほどの伸びにとどまったため、全体では7.5%増の4,956,038台に終わり、500万台の大台を確保するには至らなかった。

1年の前半はエコカー補助金が貢献して販売台数が回復したが、9月に補助金が予算切れになった後は急速に販売が落ち込み、今ひとつ物足りない結果となったのが2010年の新車販売であったといえる。

ダイハツ タントエグゼ

また、登録車の伸び率が比較的高かった割に軽自動車の伸び率が小さめだったのは、エコカー補助金でいわれなき差別を受けたからだ。

登録車なら最大25万円の補助金を受け取れたのに、軽自動車における補助金額は最大でも半額の12.5万円と、お得感が薄かった。また、エコカー減税にしても、そもそも税額の少ない軽自動車では受けられる恩恵も少ない。これらが登録車有利、軽自動車不利の状況を招いた理由である。

補助金が完全になくなった2011年の新車販売が、どのような動きになるか注目される。

エコカー減税は2011年を通じて続くので、引き続き登録車有利、軽自動車不利の状況は続くのだが、エコカー補助金がなくなった分だけ差は縮小している。

2010年新車販売ランキング:メーカー別/トヨタが圧倒的な強みを見せる

※()内は販売台数

1位:トヨタ(1,554,853)/2位:ホンダ(651,997)

3位:スズキ(620,750)/4位:日産(618,402)

5位:ダイハツ(608,510)/6位:マツダ(223,747)

7位:スバル(176,697)/8位:三菱(175,883)

輸入車(225,083台)

主要メーカーの新車販売台数を見ると、唯一登録車だけを販売して軽自動車を販売していないトヨタが、1,554,853台を販売して断然の首位。

登録車だけで見れば48.1%と、5割に近いシェアを確保している。2位のホンダと3位スズキ、4位日産、5位ダイハツまでの4社が60万台レベルで並んでいる。

日産は2年連続して4位へ留まっており、かつてトヨタと首位争いをしていた時代の面影は無くなってしまった。

スズキとダイハツは軽自動車の比率が圧倒的に高いので、単純に日産と比較するわけにはいかないが、登録車だけで見たとしても2009年は日産がホンダを上回っていたものの、2010年にはホンダに抜かれて3位。

日産 新型マーチ

2010年の日産は多くの新型車を投入したが、伸び率が小さめで、結果としてホンダの後塵を拝することになった。

スズキは軽自動車首位の座をダイハツに奪われたままだが、ダイハツのスバルへのOEM供給は僅かであるのに対し、スズキは日産やマツダへOEM供給している台数が多い。

軽自動車の生産台数を見ると、スズキがまだ実質的には軽自動車首位であるのが分かる。

ダイハツは売れる登録車を持っていないため、販売したクルマのほとんどが軽自動車で、軽だけで60万台を超えている。複数の売れる車種を持っていることが安定した販売につながっているのだろう。

6位はマツダで、7位のスバルと8位の三菱は接戦状態。また、輸入車は全体で225,083台となり、前年に比べて26.1%の増加を示したが、これはマーチを含んだ台数であるためだ。

海外ブランド車だけに絞った純輸入車で見ると182,082台にとどまっており、伸び率も13.2%とほぼ半分になる。輸入車はリーマンショック後の落ち込みが大きかった分だけやや強めに回復しているが、2011年はどうなるかが注目される。

1 2 次へ

この記事の画像ギャラリーはこちら

  すべての画像を見る >

【PR】MOTAおすすめコンテンツ

検索ワード

松下 宏
筆者松下 宏

自動車そのものはもとよりクルマに関連する経済的な話題に詳しい自動車評論家。新車、中古車を含めてユーザーサイドに立った的確な購入アドバイスを語ることで定評がある。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

MOTA編集方針

「車好きのみんなが見ているメルマガ」やSNSもやってます!
カー用品・カスタムパーツ

愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!

  • 一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?

    これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。

  • 一括査定は本当に高く売れるの?

    これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は、申込翌日18時に最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。

人気記事ランキング
最新 週間 月間

新着記事

新着 ニュース 新型車 比較 How To
話題の業界トピックス・注目コンテンツ

おすすめの関連記事

この記事にコメントする

コメントを受け付けました

コメントしたことをツイートする

しばらくしたのちに掲載されます。内容によっては掲載されない場合もあります。
もし、投稿したコメントを削除したい場合は、
該当するコメントの右上に通報ボタンがありますので、
通報よりその旨をお伝えください。

閉じる