急ブレーキに注意!? 紛らわしいオービスとNシステム、交通取締りと事件捜査という用途の違いがあった

  • 筆者: 加藤 久美子
  • カメラマン:オービスサービス・加藤 博人・MOTA編集部
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普段走り慣れない道路を走る際、安全運転に心がけているつもりでも、交通取締りのオービスらしき機器を見かけ「ドキッ!」とした経験はないだろうか。また自身が注意していても、先行車両が不意に急ブレーキを踏むケースも有るから油断禁物だ。

この道路上のカメラシステムには、オービスの他にNシステムと呼ばれるものがある。その違いとは!?

クルマでのお出かけが多くなる今、2つの違いについて改めて確認してみよう。

目次[開く][閉じる]
  1. Nシステムは警察の捜査支援システムのひとつ
  2. Nシステムとオービスの見分け方は?
  3. 可搬式Nシステムで車検切れ車両の取り締まりも!

Nシステムは警察の捜査支援システムのひとつ

Nシステムとはクルマのナンバーを自動で読み取る装置のことで、1980年代後半から全国各地の幹線道路や高速道路などで運用が開始され、現在は全国で約1700機が運用されている。

なお、Nシステムは科学警察研究所とNECが合同で開発した装置だが、NシステムのNはNECではなく、numberの「N」である。

警察白書においては、捜査支援システムのひとつとしてNシステム(自動車ナンバー自動読取システム)が紹介されており、以下に定義づけている。

「自動車利用犯罪や自動車盗の捜査のために自動車検問を実施する場合、実際に検問が開始されるまでに時間を要すること、徹底した検問を行えば交通渋滞を引き起こすおそれがあることなどの問題がある。警察庁では、これらの問題を解決するために、走行中の自動車のナンバーを自動的に読み取り、手配車両ナンバーと照合する自動車ナンバー自動読取システムを開発し、整備を進めている。

 その結果、多くの自動車盗事件を解決しているほか、殺人、強盗等の凶悪犯罪等の重要犯罪の解決に多大な効果を上げている。」

Nシステムには固定式のほかに初動捜査向けの可搬型も存在

なお、Nシステムは固定されているイメージが強いが、持ち運びができる可搬型Nシステム(可搬型初動捜査支援システムなど)もあり、犯罪の発生場所近辺などに設置しての運用も可能だ。

1980年代終わりから90年代半ばにかけて、オウム真理教が関わった一連の事件の捜査において固定式はもちろん、可搬型のNシステムも大活躍した経緯がある。

高速道の料金所にはETCレーンの不正通行などを監視するためのNシステムに似た装置を設置しているところもあり、不正通行を繰り返す悪質なクルマの摘発に効果を上げている。

Nシステムとオービスの見分け方は?

ところで速度違反を取り締まるオービスの中にはNシステムとよく似ているタイプがある。これはどのように見分ければ良いのだろうか?

とくに似ているのは以下のタイプだ。

【Nシステム似のオービス例その1】道路にループコイルを埋設したコンパクトなタイプ「LHシステム」

一番新しいタイプのオービスで、道路舗装の下に埋設されたループコイルで、速度を測定し、道路上のカメラ装置で撮影する。こちらは、形状がNシステムと混同しやすく、さらにGPSデータを持たないレーダー探知機では探知できない。

ちなみにLHシステムとNシステムの見分け方は以下の通り。

・LHシステムには数キロ前から必ず「予告看板」がある。

・LHシステムにはパトランプが主装置や支柱についている。

・LHシステムには路面に撮影ポイントの白線マーカーがある。

【Nシステム似のオービス例その2】レーザーを用いた新型オービス「Ls レーザー支柱型」

こちらはさらに新しいタイプ。大阪府豊中市の国道423号線(新御堂筋)に初めて設置された。LHシステムとほぼ変わりがないように見えるが速度計測にレーザーを用いているのがポイント。通常のレーダー探知機では探知できない。

オービスとNシステムとの見分け方は主に2つ

これらのオービスとNシステムとの見分け方については以下の2つが参考になりそうだ。

1.オービスには、運転者を特定するための撮影を行うので必ず発光装置がついているが、Nシステムは赤外線カメラを用いるので発光装置はない。

2.オービスの前には数キロ前から必ず「予告看板」があるが、当然のことながらNシステムにはない。

ただし、Nシステムの通過直後にオービスが存在するエリアもあるのでいずれにしても制限速度を守った安全運転を心がけるべし。

さらに、オービス情報アプリなどでNシステムの場所を教える設定も可能である。

可搬式Nシステムで車検切れ車両の取り締まりも!

前述したように、Nシステムにはオービス同様、「可搬式」(移動式)も存在しており、事件捜査のほかに車検切れ車両の取締りに活用されている。

車検を正しく通していれば何も恐れることはないが、中にはすっかり忘れて車検の有効期間が過ぎ、自賠責保険も切れていた…というケースもある。罰金が高額になる場合もあるのでクルマにあまり乗らない、家族のクルマを共用しているような場合は常に注意しておきたい。

また、Nシステムとよく似た「Tシステム」なるものも存在する。

「T」はトラフィックの頭文字で、地面に埋め込まれたセンサーで計測する場合もあれば、道路上の支柱に装着される場合もある。交通流速の計測などを行って目的地までの所要時間や渋滞情報などの提供を目的としているが、近年はTシステムの情報が犯罪捜査に使われることもあるという。

Nシステムに気付きあわてて急ブレーキを踏む事例も多発

ちなみにアプリ「オービスガイド」では、「Nシステム」の設置場所などの情報がわかるようになっている。オービスでもないのになぜ掲載されているのだろうか?

オービスガイドを運営する有限会社パソナ大須賀氏に聞いたところ、意外な答が返って来た。

「オービスガイドにNシステム掲載が掲載されているのは、オービスと間違えて急ブレーキを踏むドライバーがいて危険なのと、『このカメラはオービスじゃない』ことを知らせるためです。

とくに、LHシステムのオービスとよく似ていて、慣れていないと判別が難しい場合もあります。オービスガイドには、オービスと間違いやすい大型のNシステムが主に登録されています(※全てのNシステムが登録されているわけではありません)。」

確かに慣れていないと、遠目に見ただけではNシステムかオービスか?判別しづらい時もある。慌てて急ブレーキを踏まないようにNシステムの存在を事前に教えてくれるというわけだ。

なお、Nシステムの直後にオービスが設置されている場所もあるそう。

「なんだ!Nシステムだ!」と油断してスピードを出した直後にオービスを光らせないよう、十分注意すべし!

[筆者:加藤久美子/撮影:オービスサービス・加藤 博人・MOTA編集部]

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加藤 久美子
筆者加藤 久美子

山口県下関市生まれ 自動車生活ジャーナリスト 大学時代は神奈川トヨタのディーラーで納車引き取りのバイトに明け暮れ、卒業後は日刊自動車新聞社に入社。出版局にて自動車年鑑、輸入車ガイドブック、整備戦略などの編集に携わる。95年よりフリー。2000年に第一子出産後、チャイルドシート指導員資格を取得し、チャイルドシートに関わる正しい情報を発信し続けている。 得意なテーマはオリジナリティのある自動車生活系全般で海外(とくにアメリカと中国)ネタも取材経験豊富。愛車は22年間&26万km超の916アルファスパイダー。記事一覧を見る

監修トクダ トオル (MOTA編集主幹)

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