伝説の刑事ドラマ「西部警察」を彩ったフェアレディZ! 大門が駆るスーパーZに胸躍らせる![昭和~平成 劇中車の世界]
- 筆者: MOTA編集部 劇中車研究班
- カメラマン:MOTA編集部/日産自動車/株式会社石原プロモーション/製作著作:株式会社石原プロモーション/取材協力:ポニーキャニオン・株式会社トミーテック
昭和から平成にかけての時代、クルマが主役級の扱いを受けるテレビドラマや映画は数多くあった。派手なカーアクションを魅せる刑事ドラマや戦隊ヒーローものに限らず、熱いラブストーリーの傍らにクルマが寄り添う場面も多かった。
そんな俳優顔負けの活躍をみせたドラマ・映画の劇中車の中でも、特に別格の存在と言えるのが伝説のドラマ「西部警察」だろう。今回はそんな昭和の名ドラマから、大門団長の専用車「スーパーZ」(S130型 2代目 日産 フェアレディZ 2by2)について、改めて振り返ってみよう。
現代では再現不可能!? 「西部警察」は激しい銃撃戦とカーチェイスをメインとした刑事ドラマだった
さて今回紹介するのは、伝説の刑事ドラマ「西部警察」の劇中に登場してくる“スーパーZ(2代目S130型フェアレディZベース)”だ。
西部警察が新番組として紹介された際のキャッチコピーは“コンクリートウエスタン”。西部警察は現代版西部劇とでもいうべき激しい銃撃戦とカーチェイスをメインとした、アクションシーンが売り物の刑事ドラマであった。
ドラマは昭和54(1979)年10月より毎週日曜夜8時にテレビ朝日系列にて放映されていたのだが、その源流は1976年から1979年9月まで、火曜夜9時に日本テレビ系列でパートI、パートII、パートIIIが放映されていた“大都会シリーズ”までさかのぼる。
おきて破り!? フォーマットもそのままに他局へ移動してきた異例のドラマ
大都会シリーズも人気の高い刑事ドラマだったのだが、“大人の事情”で、登場人物、番組コンセプトなどをほぼそのままに、大都会パートIII放映終了の翌月に(しかも放送局を変えて!)西部警察は放映開始されている。
大都会では渡 哲也扮する黒岩部長刑事率いる“黒岩軍団”となっていたが、西部警察では大門部長刑事率いる“大門軍団”が、黒岩軍団時代にも参加していた俳優多数と大門軍団へそのままスライド(それぞれ役名は違う)。大都会とコンセプトをほぼ変えずに西部警察の放映が始まった。
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放映開始3年後に現れたド派手なパトカー「スーパーZ」! ガルウィングに大興奮した昭和57年の秋
単なるパトカーではなく、スーパーZは大門軍団の立派な一員だった
その大門部長刑事の愛車であるスーパーZは放送開始からおよそ3年後の昭和57(1982)年9月放映、西部警察パートIIの第15話“ニューフェース!! 西部機動軍団”で初登場する。
スーパーZ登場以前にもすでに特殊捜査車両として、スポンサーである日産自動車協力のもとマシンX(5代目後期スカイラインジャパンターボがベース)やサファリが登場しているのだが、これらは単なるスーパーマシンではなく“軍団員”と擬人化されて、劇中に登場しているのが印象的だった。
スーパーZも、大門軍団のたまり場であるスナックセブンで軍団員が昼食をとっていると、お馴染みの女性店員が「新人がくるんですって?」と軍団員とやり取りを交わすところからドラマは始まっていく。するとジョーこと北条 卓刑事(御木 裕)が「相当キレるやつらしい」と答えている。そして、この“キレるやつ”こそがスーパーZなのである。
これホントに警察車両!? スーパーZのド派手ないでたちに視聴者も驚いた!
団長こと大門 圭介部長刑事(渡 哲也)と、オキこと沖田 五郎刑事(団長だけゴローと呼んでいた/三浦 友和)が、劇中でははっきりされていない場所へ車両を引き取りに出かける。すると、そこには開発者らしき人物がいて「日産自動車と日産プリンスが共同開発をした」として、スーパーZと同時に6代目スカイラインRSクーペがベースの“マシンRS”が華々しくアンベールされた(お披露目会でも開かれたのだろうか)。
スーパーZはガルウイングドアを採用し、当時は認められていなかったドアミラーも採用。ベース車と比べても、かなり“スペシャル”でド派手なモデルとなっていた。
ガルウイングドアは全自動油圧式で開閉を行い、ボンネット上には催涙弾、リアエキゾースト付近には煙幕発生装置が備わる。ボディカラーはベース車にはないゴールドをベースにした2トーンの特別色で華やかだった。覆面パトカーがそんなに目立っていいのか不思議でもあるが、それが西部警察というものだ。
気になる点では、スーパーZは他のスーパーマシンと異なりMTではなくATであった。
スーパーZと言えば思い出されるエピソードの数々に胸が熱くなる!
団長以外にオキや“ヨセフ”も乗ったスーパーZ
有名なトピックでは、L28E型2.8L直6エンジン搭載車をベースとしていたのに、登場当初劇中では5ナンバーのプレートをつけていたのだが、途中から3ナンバーのプレートに変更されている点。
また、パートIII第14話では、元カーレーサー深町(長塚 京三)操る偽スーパーZと、団長操るスーパーZが富士スピードウェイで対決をする(!)のだが、このシーンでは本来ATであるはずのスーパーZがMTとして登場している。
団長専用車とされていたスーパーZだが、前出の沖田刑事をはじめ、パートIIIから登場する大将こと山県 新之助刑事(実家は教会、クリスチャンネームは“ヨセフ”/柴 俊夫)など、多くの軍団員が運転することもあった。
事件も一件落着! 晴れて軍団入りしたスーパーZ
スーパーZが初登場したパートII第15話では、マシンRSとともにスーパーZが大活躍して無事に事件を解決。そしてエンディング近くでは、木暮謙三課長(警視/石原 裕次郎)が、刑事部屋から無線で現場の団長に、「新人(スーパーZ、マシンRS)も晴れて入団(大門軍団)だ」と伝えていた。
プライベートでも石原裕次郎や渡 哲也をはじめとした“石原軍団”のみなさんは大のクルマ好きとして有名。劇中のカースタントでもスタントマンではなく、俳優自らやりたいと申し出てくることも珍しくなかったようだ。そんなクルマ好きが集まっているからこそ、スーパーマシンも単なる“クルマ”ではなく、“軍団員”として擬人化して紹介していたのは非常に好感が持てた。
西部警察を観ていると、番組後半に専用ガレージから事件現場へスーパーZが“出動”するシーンはお約束。まさに時代劇の後半で展開されるチャンバラのように、西部警察ならではのカーチェイスやガンアクションが始まるぞ! と、リアルタイムで見ていたころのワクワクした気持ちをいまもなお鮮明に覚えている。
(文中敬称略)
[筆者:MOTA編集部 劇中車研究班/撮影:MOTA編集部/日産自動車/株式会社石原プロモーション/製作著作:株式会社石原プロモーション/取材協力:ポニーキャニオン・株式会社トミーテック]
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