コンパクトカーの新ベンチマークを目指し生まれた初代ヴィッツ、その系譜は新型ヤリスに続く【I LOVE コンパクトカー】(1/2)
- 筆者: 望月 達也(MOTA編集部)
2020年2月に発売開始した、ヴィッツ改め世界統一ネームとなったトヨタ新型ヤリス。発売から1ヶ月時点では約37,000台と好調な受注台数を記録しています。初代モデルのようなコンパクトカーの新しいベンチマークとなるべく、完全刷新となった新型ヤリスですが、ここではそのベストセラーモデルの初代ヴィッツから現行モデルの新型ヤリスに続く系譜を振り替えっていきます!
初代ヴィッツ:コンパクトカーのベンチマークを目指す
1999年、トヨタは長年にわたり同社の屋台骨を支え続けたコンパクトカー「スターレット」に代わる新しいコンパクトカーを登場させます。それが初代「ヴィッツ(海外名:ヤリス)」です。ヴィッツとは英語「vivid(ビビット)」と、ドイツ語の「Witz(ヴィッツ)」を掛け合わせた造語。ちなみにヤリスという名はギリシャ神話の女神「カリス」に由来し、優美さなどを表します。
初代ヴィッツは、サイズにとらわれない「小型車の枠を超えた作り込み」が行われ、世界の名だたる小型車とも戦える性能を得ただけでなく、新しい時代を感じさせる内外装デザインの採用も伴って、日本のみならず欧州でも大きなヒットを記録。それまで日本における販売の主力だったカローラの販売台数を上回ったほどで、ヴィッツがエントリーモデルではなく、車格的ヒエラルキーや年齢に関係なく乗れるコンパクトカーということが証明されました。
また、日本と欧州でカー・オブ・ザ・イヤーをダブル受賞。「海外のライバルとも渡り合える実力を持った、質が高いコンパクトカー」という発想は国内ライバルメーカーを刺激し、ホンダではフィットを生み出す原動力となりました。
初代ヴィッツは、1LクラスのAセグメント車として登場しましたが、のちに1.3Lや4WDのほかスポーツモデルで1.5Lを搭載した「RS」、高級感を増した「クラヴィア」などを次々と追加。特別仕様車やモデリスタが手がけたターボ版などのバリエーションも設定しながら、2005年まで販売が行われました。
2代目ヴィッツ:大型化でBセグメントに移行
2代目ヴィッツは2005年に登場。初代のコンセプトを引き継ぎながら、質感、安全性などすべての面において一層のブラッシュアップを果たしました。
全長3.6mほどだったボディサイズは3.7m〜3.8m台まで大型化され、ホイールベースを90mm伸ばしたことで室内空間も拡がり、Bセグメントカーに発展。
外観は、初代ヴィッツのアイコンを残しつつ洗練されたものとなり、ワンモーションフォルムでカタマリ感あるスタイルに。内装では、ダッシュボードのセンターメーターを初代から継続しています。
なお、2代目でもスポーツグレードのRSは残されました。この代も、モデルライフ中に特別仕様車の設定を数多く行なったほか、時代に合わせて安全性能や燃費性能の向上が継続して計られました。
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