コロナショック直撃のタクシー業界! 現役ドライバーの悲痛な声
- 筆者: MOTA編集部 木村 剛大
- カメラマン:MOTA編集部
世界中で猛威を振るう新型コロナウィルスは、様々な業種に大きな影響を与えている。公共交通機関の中でもタクシーへの被害は甚大だ。そこで、首都圏を中心に活躍中の現役タクシードライバーに現状を直撃! 激減した売上や利用者の細心の傾向などリアルな声を紹介。
売り上げが1/5に激減!? タクシー業界の現状とは?
外出自粛要請が発令された後も、依然として平日はビジネスマンが職場に出ているケースが多いため、影響はそれほど大きくないという。その一方で、極端に人出が少ない土日はかなり厳しいそうだ。事実、一部のタクシー会社では従業員を一斉解雇するなど、かなりキツイ状態だ。
今回、匿名を条件にインタビューに応じてくれたのは、東京都内でタクシー乗務歴3年のAさん(26歳)。
コロナ騒動以前、Aさんの1日の売り上げは平均して5〜6万円が相場だったという。ところが2020年4月5日の業務では1日1万円にまで激減。かなり厳しい状況に陥っていると肩を落とす。
Aさんの給料は歩合制。そこそこの売り上げを上げ、ようやく満足出来る収入が確保出来るという。しかしコロナ禍による外出自粛は当面収束する見込みが立たないため、この先しばらくは乗客増など期待出来るはずもない。
とはいえ、月々の家賃や光熱費、携帯代などの支払いは待ってはくれない。目の前の状況に「ただただ不安しかない…」と、Aさんはため息をつくばかりだ。
ロング客は激減! いっぽうで短距離利用が増えた意外な理由とは
Aさんによると、乗客の傾向も変わってきているという。中でも、これまで夜間の稼ぎ頭だった長距離利用者が激減し痛手を被っている。深夜残業や飲み会帰りで終電を逃したサラリーマンたちが、街からすっかり姿を消したのだ。これが大幅な売り上げ減に直結している。
タクシーは大量輸送の公共交通機関よりも安全!?
その一方で、コロナウィルスの影響が意外なところでタクシー業界にも波及していた。1〜2メーターといった、短距離の利用者が増えているというのだ。
タクシーは密室のため、一見すると感染のリスクが高いようにも思える。だが大量輸送を行う電車やバスなどで不特定多数の人と接触することを考えると、“タクシーの方が安全”という判断のようだ。
インタビューしたタクシードライバーのAさんによれば、従来にも増して車内の換気をマメに行うほか、清掃や除菌も頻度をあげて乗務しているという。
ごく少人数で移動するタクシーが、集団で乗車する電車などに比べリスクが少ないという考え方にもなるほど一理ありそうだ。困窮するタクシー業界を救うという意味でも、積極的に利用してみてはどうだろうか。
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【筆者:MOTA編集部 木村 剛大】
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