踏み間違い事故はなぜ起こる? 防止装置に9割補助金も! 若者も気をつけるべき意外な理由と対策を大検証!
- 筆者: おおしま りえ
近年ニュースを賑わせている、高齢者のペダル踏み間違い事故。踏み間違いによる「死亡事故」を起こす割合は高齢者が若年層の約3倍も多くなっており、ますます高齢化が進む日本で、考えなくてはいけない問題です。
そこで今回は、そもそもなぜ、そしてどんなシチュエーションで踏み間違いが起きるのかを考えてみるとともに、踏み間違い防止装置の仕組みや金額、補助金についても調べてみました。
駐車場からお店に突っ込むクルマが増えている!
踏み間違い事故はどこで起きている?
さて、高齢者の踏み間違い事故はどういったシチュエーションの中で起きるのでしょう。
交通事故総合分析センターのデータによると、最も多いのは一般単路における踏み間違い事故。例えば前の車が減速し、それに合わせてブレーキを踏もうと思ったら間違えた…といったものです。
そして注目すべきは、駐車場等で起きる事故。こちらは単路での事故よりも件数自体は少ないものの、近年増加傾向にあるそうです。
ニュースでたびたび取り上げられるような「コンビニで発進時に踏み間違えてお店に車両が突っ込んだ」といった事故が、この10年で増加傾向にあるのです。
そもそも、どうして踏み間違えるの?
パニック以外の物理的な原因があった
高齢者が踏み間違いを起こす理由は、加齢による身体能力や判断能力、視力の低下などが絡んでいます。よく想像されるのが、発進時に踏み間違えてパニックになり、さらに間違えるといった現象です。もちろんそれもよくあるシチュエーションですが、他にも起きる原因はあるとされます。
そのひとつが、体勢を変えて運転操作した際の踏み間違いです。
車両を後進させる際や、コインパーキングなどで停車したままチケットを取るなど、特殊な体勢のまま動作する際、体の向きや角度が不安定になり、足が誤ってペダルから離れてしまい、その結果踏み間違いを起こす…そうした事例も多いのです。
知らなきゃ損! 9割負担してくれる東京都の補助金
つけて安心、踏み間違い防止装置
こうした踏み間違い事故防止のため、近年はさまざまな踏み間違い防止装置にも注目が集まっています。
東京都では高齢ドライバーの事故防止を推進するため、2019年7月から「東京都高齢者安全運転支援装置設置促進事業補助金」をスタートさせました。
これは、都内の高齢者が自分のクルマに踏み間違い防止装置を取り付ける際、なんとその代金の9割を都が負担するというオトクな制度です。
装置の価格はおよそ4万円から8万円ほどなので、高くても自己負担は1万円以内。本人が払うにしろ、家族が負担するにしろ、事故の危険や被害を考えれば非常に安価で、「そのくらいだったら…」と行動に移せる金額といえるでしょう。
補助金申請の流れ
まず取扱い事業者の店舗に相談し(東京都のWebサイト参照)、店舗にて車の状態や要件について確認を受け、装置の設置日を予約します。そして当日、本人が来店して申込書等を提出し、本人確認後に装置を購入・設置して使用方法の説明を受けます。
最後に個人負担分(都が9割負担、最大10万円まで)を店舗で支払えば、完了です。
対象となるドライバーは、都内在住の70歳以上であることや、車両の名義もしくは車検証に書かれた住所が高齢者本人のものであることなど、いくつか条件があります。
詳しくは東京都のWebサイトを確認し、補助金制度の対象に該当するか確認してみましょう。
東京モーターショーで、踏み間違い防止装置を実際にチェック!
心強い「アクセル見守り隊」の仕組みは?
2019年10月24日~11月4日に行われた東京モーターショー2019の会場では、各メーカーがより快適で楽しく、未来にワクワクできるような展示を行いました。そんな中でも、ドライブレコーダーなどを販売するカーエレクトロニクス総合メーカー、株式会社データシステムは、踏み間違い防止のための装置「アクセル見守り隊」を展示しました。
しかしそもそも、踏み間違い時に自動車の発進を抑制する機能とは、どんなものなのでしょうか。
その仕組みは、アクセル信号(アクセルセンサーの出力電圧)を制御することによって、急発進を抑制したり、ブレーキ操作を優先させたりするというもの。例えば停車中や徐行時にアクセルが急激に踏み込まれた場合、アクセル信号を抑制し、急発進を防止してくれます。
周りの人も一緒に対策を
本製品はオートバックス専用モデルと量販店モデルの2タイプがありますが、機能は同じ。価格は設置費用によって多少前後するものの、補助金を使わない場合、トータル4万円ほどで取り付けが可能といいます(本体価格+アクセルハーネス+設置料含む)。
最近では高齢者ご本人よりも、周りの人からの相談が増えているというアクセル見守り隊。カー用品店では実際の展示も行っています。安全面での対策も考えながら、チェックしてみてはいかがでしょうか。
[筆者:おおしまりえ]
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