カラテカ入江もびっくり!? 自動車ギョーカイの闇営業 3選
- 筆者: 増田 真吾
※画像はイメージです
闇営業はその業界に存在する負の部分
関西を中心とする芸人たちの闇営業が何かと取りざたされているが、芸能界に限らずどの業界にも“闇営業”と呼べるような負の部分は存在するもの。そこで今回、自動車整備士として15年以上の現場経験をもとに、車業界にも実在する“闇営業”についてお話してみたいと思う。
先に断っておくが、闇営業と名の付くものの中には、一見するとお得に見えるもの存在するが、決してユーザーにとって有益なものではない。少しでも怪しいと思った場合には、それ以上踏み込まない方が賢明だ。
闇車検(ペーパー車検)
※画像と本文は関係ありません
通称ペーパー車検とも言われる車検方法で、正規の検査を行わずに車検を通す行為だが、当然こういった行為は犯罪に該当する。
本来車検とは、国が定める最低限の安全基準である“保安基準”に、その車が適合しているかを検査によって確認する制度。したがって、闇車検で車検を取得した車は、この安全基準に満たさないまま公道を走っていることになる。
通常は、闇車検で経費を抑えたい業者と、それを請け負う整備工場という企業間で闇車検が行われるケースが多いが、実は個人間でも行われていることも少なくない。
実際、検査員資格を持つ筆者の経験でも、車検見積もりが40万円以上になった輸入車オーナーから「いくらか包むから何とか車検を通してくれ」と言われたことがある。
この時は当然お断りしたし、自分なりの誇りを持って仕事をしていたため、やや強い口調で突っぱねた。
もちろん、闇車検を行ってしまった場合、みなし公務員である検査員は公的に罰せられることになり、本人はもちろん籍を置く整備工場にも重い罰則が科せられる。
メーター戻し(走行距離改ざん)
闇営業というワードからは離れてしまうが、メーター戻しも車業界にとって定番の不正行為だ。
メーター戻しが行われる理由はごくシンプルで、走行距離が少ない方が中古車として高く売れるから。
もちろんそんな不正行為がそのまま野放しにされることはなく、自動車メーカーをはじめ、国としてもさまざまな対策が取られている。現在新車として販売されている車は、ほぼすべてデジタル表示の距離計になっており、走行距離を戻すことは実質不可能。当然100%できないわけではないが、これから中古車を購入するような場合は過度に心配する必要はないだろう。
ただし、例外としてスピードメーターを何らかの理由で交換しているケースでは、通常記載されるはずの交換歴が記載されず(または記載されたメンテナンスノートを紛失)、極まれに走行距離が不明となっている場合がある。
その場合は、車に積まれた車検証を確認することで、前回の車検時に走行距離が何キロメートルだったのかを確認すれば、おおよその目安にすることが可能だ。
修復歴隠し(不実告知)
メーター戻しと並んで、特に中古車業界に多い闇営業、不正行為が修復歴隠しである。
ちなみに修復に該当するのは、骨格など容易に取り替えできない部位の下肢を指し、ドアパネルやフェンダーなど、交換可能な部位の板金歴などは含まれない。
現在は業界の自浄努力や、景品表示法という法律によって、販売されている中古車にはほぼ間違いなく修復歴の有無が表示されているため、それほど心配する必要はない。
ただし、価格が安いからとあえて修復歴車を購入する場合は注意が必要だ。筆者は過去に中古車を購入する際、修復歴車だと認識して購入したことがあるのだが、少々苦い思いをしたことがある。
筆者は整備士であるため、一般の方よりは中古車を“見る目”は持っていると自覚している。当時は修復歴の表示が義務ではなかったため、実車を見た際に修理箇所を複数発見し販売店に申告した。
もちろん販売店はその事実を素直に認め、僕もその修復箇所を理解した上で購入したところまでは良いのだが、問題はここから。
当時整備士に成りたてだったことと、車をリフトアップしたわけではないことを言い訳させてもらうが、すべての修復箇所を見抜くことができなかったのだ。
具体的には左フロントからサイドにかけてフレームやサイドシルに修理跡があり、最悪横転している可能性があった。これは明らかに修復歴車であり、販売店がその事実を知らないはずはなく、早い話がしてやられたのである。ただ、そんな状態でも車の調子は良く、もともとサーキット走行をする前提で購入しているため、結局5年間乗り続けた。
皆さんの中にはそんな無謀とも言える冒険をする方はいないと思うが、修復歴表示が義務化された今なら、間違いなく修復歴なしの中古車をおすすめしたい。
闇営業には関わらないのが1番
冒頭にも書いた通り、芸能界や車業界に限らず、闇営業という負の部分はどの業界にも必ずあるもの。あまりにもおいしい話には注意するのはもちろん、自分自身がそういった不正に加担しないように注意してほしい。
[筆者:増田 真吾]
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