クルマを買って“使う”から“儲ける”時代がやってくる!?(2/2)

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新車や中古車をタダで所有できる!?

自分が所有するクルマを、まったく知らない人に数時間だけ貸してお金をもらう。数年前なら、そんな非常識な発想がビジネスとして成立すると思う人は少なかったはずだ。

だが最近は、若者世代を中心に「メルカリ」などの個人間売買が一般化している。クルマのC2Cが現実に行われることを理解する人も増えている。

とはいえ、実際に自分のクルマを貸すとなると、「事故ったら、保証はどうなるの?」「車内を汚されても、細かいところまで確認できないし」とか、そもそも「見ず知らずの人に、自分のクルマを使われることに抵抗感がある」という人も多いはずだ。

だが、それは他人が自分の部屋を使う民泊でも同じことだ。民泊が「アリ」なら、C2Cのカーシェアリングも「アリ」だという発想が生まれるのは自然なこと。

日本ではすでに、DeNAが2015年からAnyca (エニカ)というC2Cサービスを行っている。現在、会員数9万人以上、クルマ登録台数3500台、そして累積カーシェア日数は4万日以上という実績がある。つい先日、筆者はAnycaの事業責任者とじっくり話す機会があり、サービスの実態と苦労話をいろいろと聞いた。

そのAnycaと、駐車場のC2Cであるakippa (アキッパ)、そしてガリバーなどを展開する中古車最大手のIDOM(イドム)が2017年11月10日ニュースリリースを出し、3社が事業連携することを明らかにした。

サービスは静岡から開始し、全国展開を目指す。詳しくは同社サイトで詳細を確認して頂きたいが、要するに、ガリバーで中古車を買う人が、購入後にAnycaやakippaを使って自分に支払われる金額を想定することが可能になるのだ。

あくまでも理想論だが、最良のケースでは購入したクルマの月々のローン支払い額より、Anycaとakippaからの収入が上回ることも考えられる。または、購入したクルマの再販価格を考慮して、そのクルマの売却時点で、結果的に儲かることもあり得る。つまり、クルマを買うこと自体が「投資」なのだ。

大手通信インフラ会社の次なる一手とは?

こうしたクルマのC2C(個人間取引)に、なんとNTTドコモも参戦した。

10月に発表された「dカーシェア」では、スマホのアプリで、C2C、カーシェア、そしてレンタカーを同じプラットフォームに並べた。

実際のスマホの画面では自分の位置が分かると、その周辺でC2C、カーシェア、レンタカーによる様々なチョイスを提案してくれるのだ。

今後、日本でも他の通信インフラ業者、さらには自動車メーカーや自動車ディーラーを巻き込んだ「シェアリングのプラットフォーム」に関する事実上の標準化、デファクトスタンダードを狙う動きが活発化しそうだ。

[Text:桃田健史]

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桃田 健史
筆者桃田 健史

日米を拠点に、欧州、BRICs(新興国)、東南アジアなど世界各地で自動車産業を追う「年間飛行距離が最も長い、日本人自動車ジャーナリスト」。自動車雑誌への各種の連載を持つ他、日経Automotive Technologyで電気自動車など次世代車取材、日本テレビで自動車レース中継番組の解説などを務める。近著「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」(ダイヤモンド社)。1962年東京生まれ。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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