スマホの進化に勝てる!? 次世代ETCの「ETC2.0」は本当に必要か(2/2)
- 筆者: 清水 草一
次世代ETCは高機能ではなくシンプル安価で、ETCの義務化を推進すべき
編)ETC2.0には、それ以上のことができるんですか?
草)ETC2.0は、「安全運転支援、渋滞回避支援、災害時支援と言った情報提供、ゲートなしの料金所の実現、駐車場等民間への利用拡大」といった目的が謳われているね。そのうち安全運転支援、渋滞回避支援、災害時支援はすべてスマホでできるし、そっちの方が将来性がある。なんせアプリは刻々と進化させられるんだから。
編)なるほど。でもその他はスマホでは無理そうですね(笑)。
草)ゲートなしの料金所はETC2.0じゃないとダメだけど、まだ存在もしてないし、別にゲートがあったって不便はない。「ゲートをなくしてくれ!」っていう強い要望なんてどこにもない。料金所は渋滞さえしてなきゃいいんだから。
編)確かにそうですね。
草)駐車場等民間への利用拡大はないだろう。ETCゲートは1基5千万円と言われているけれど、駐車場の設備もかなり高く付くはず。タイムズが10年以上前から実験的に導入しているけど、全国に2カ所だけで広がってない。駐車券が無いと割引サービスが受けづらいから結局駐車券は発行するようにしたりして、ETC化するメリットがほとんどなかったんだ。実際、ETCが使える駐車場って使ったことある?
編)見たことすらないです。
草)数年後には、「こんなばかばかしいものがあったんだよ!」って自慢できるかも知れない。でも俺はETC自体を否定しているんじゃない。
編)従来のETCはいいわけですか?
ETCが普及して料金所渋滞が消滅
草)あれは自分でも真っ先に付けたし、ETCが普及して料金所渋滞が消滅したのは、すばらしいことだったと思うんだ。日本のETCは世界一複雑かつ高価なシステムで、高価過ぎた面はあるけれど、なにしろあの絶望的な料金所渋滞がなくなったんだから。満点じゃないけど70点はあげたい。
編)でも、2.0への進化は必要ないってことですね。
草)そう。そこから先は絶対民間に負ける。なにしろスマホアプリは大抵無料だし、絶えず進化し続けるんだから。国交省は「ETC2.0搭載車が渋滞迂回ルートを使ったら割引する」とか検討してるけど、100円割引してもらってもそんなに嬉しくない(笑)。車載器の値段は通常のETCだと5000円台から。一方ETC2.0はいまのところ2~3万円。モトを取るのは絶対ムリだ。
編)国が推し進めるなら、もっと先行く凄い機能満載のものが出てくれば…。
草)逆だね。国がやるのは最低限のことでいい。つまり、本当なら進化型ETCは、もっと機能をシンプルに絞り込んで値段を安くすべき。そうすれば、ETCの義務化だって視野に入ってくる。義務化できればロードプライシングなんかにも使えて、利用範囲は大きく広がるんだよ。
[Text:清水草一]
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