CVTで世界シェアトップを誇る「ジヤトコ」見学レポート/飯田裕子(3/3)
- 筆者: 飯田 裕子
- カメラマン:オートックワン編集部/日産自動車株式会社
あくまでCVTへのこだわりを見せるジヤトコ
今回見学をした富士1地区工場では、CVT7の完成品の加工や鍛造、組み立てや最終検査などを見学させていただいた。
ここでは一日に3,000機のCVTが生産されているという。機械ものは何でも同じだと思うが、とにかく一つ一つの部品の精度や品質の検査が大事。
アルミ製のケースにはいくつも送油用に穴が開いていて、穴を削り出したカスが残留していないか入念にチェックされていた。組み立てラインでは、ホコリが入るのも防ぐために独立した空間で行われる。
最終検査は『超振力テスト』と言って、コンピュータ制御で走行シーンを再現し、ギヤの噛み合い時に発生する振動を測定するほか、『聴感検査』と呼ばれる異音のチェックではコンピュータでも判断できない異音を人の耳で確認していた。
走行上の性能に問題がなくても、ドライバーにとって不快に感じる音が出ていた場合、出荷が認められないのだとか。
世界的に自動車の環境性能を高める必要がある現在、ジヤトコのCVTの需要もますます高まっているそうで、海外生産も中国やタイ、メキシコなどで生産能力を高めるべく、新工場の建設、既存の工場の拡大などが始まっている。
2種類に統合されたCVTは、生産性やクオリティコントロールを世界的に高く保つことも可能だろうし、万が一どこかの国で生産がストップしても他の国で賄える可能性も高まるため、リスクマネージメントにも繋がるだろう。
2011年、ジヤトコは6000億円の売り上げがあったそうだが、2018年には売上高を1兆円とする企業になることを中期目標で発表している。
工場見学が終わったあとの質疑応答のなかで、いわゆる2ペダルと呼ばれるDCT(デュアルクラッチトランスミッション)の開発について質問が挙がった。ジヤトコでは「DCTも素晴らしいと思う」と言ったあとで、「MTを持つ会社にはそういう手もあるが、CVTのようにエンジンの美味しいところを使おうとするとギヤの段数を増やさないといけない」と言い、さらに「ジヤトコはAT出身であり、CVTはエンジンの美味しいところを使える」とメリットを説明した。
CVTのサプライヤーとして、ジヤトコはグローバルシェアナンバー1。
これまでの技術の積み重ねもある。最新CVTの環境性能への取り組みや快適な走行性能のお話を伺い、精密機器としての最新の製造現場を見た者としては、日本企業の今後のさらなる躍進を期待したいと思うのだった。
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