SUVタイプのEV「Model X」を発表したテスラ、日本における今後の課題とは!?/渡辺陽一郎
- 筆者: 渡辺 陽一郎
テスラの最高技術責任者 JBストローベル氏が来日!
日本のEV(電気自動車)といえば、「日産 リーフ」と「三菱 i-MiEV」。
リーフは3ナンバー車だが、丸みのある外観は全身で「未来を先取りした究極的なエコカー」であることを表現している。i-MiEVはiがベースだから特別なボディではないが、やはり丸みがあってEVチックだ。
どちらも「普通のクルマではありません」と主張して、EVに特別なイメージを与えている。これは、プリウスが先代型と現行型でイメージを確立させた手法に似ている。
ところが、アメリカのEV「テスラ」はまったく違う。
テスラ・モーターズは2008年から本格的な販売を開始したが、その第1弾はスポーツカーのテスラ・ロードスターだった。シャシーはロータスがベースで、モーターはシートの後部にミッドシップで搭載する。
外観を見ただけではEVとは分からない。EVである以上、もちろんエコカーなのだが、スポーツカーに仕立てたところが特徴だ。
カタログには、停止状態から時速97kmまでの到達時間が3.7秒と記載される。リーフも加速性能は優れているが、それをアピールすることはない。テスラではEVに対するアプローチの仕方がまったく違う。
先ごろ、テスラ・モーターズで最高技術責任者を務めるJBストローベル氏が来日。今後の商品展開などについて語った。
最も注目されるのは、新しいプラットフォームを開発し、車種のバリエーションを充実させていくこと。
新開発されたプラットフォームを使う車種として、上級セダンの「モデルS」と、SUVの「モデルX」が設定されている。EV専用のプラットフォームとあってユニットをコンパクトに収め、空間効率の向上を図った。
特にSUVのモデルXは、後輪駆動となる2WDのほかに、前後にモーターを配置した4WDもラインナップ。EVの特徴を生かしたSUVを成立させている。
モデルXでは、前後輪に独立したモーターを配置することで、後輪に駆動力を与えながら、前輪は駆動せずに回生発電させることも可能。1つのエンジンを搭載する従来の車両とは異なり、新たな4輪コントロールも実現できるという。
ロードスターに続くのが、上級指向のセダンとSUV。この発展のさせ方も、テスラらしいところだろう。
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