ミシュラン コンフォートタイヤ「プライマシー4」試乗|穏やかに、かつ正確に(2/3)

  • 筆者: 菰田 潔
  • カメラマン:渡 健介
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アウディ A4アバントとゴルフをテストコースに持ち込んで様々なテストを実施

テストコースでハンドリングをテスト

テスト車両として用意した2台の車、アウディ A4 Avant 1.4TFSI(FWD)には225/50R17 98Y XL、フォルクスワーゲン ゴルフは205/55R16 91Wサイズのプライマシー4を履かせ、一般道は高速道路も含めて長い距離を走り、限界を超える領域やウエット路面でのテストはGKNのテストコースを借りて試した。

テストコースのハンドリング路をアウディ A4で走ると、プライマシー4はしっかり感のあるグリップが印象だった。コンフォート系というゆるい感じがない。コーナーを攻めていっても腰砕けになることがなく、最後まで良く踏ん張っている。

とても気に入ったのは、グリップの限界付近でも予測が付く動きで、基本的には弱いアンダーステアで走れる。コーナーの途中でハンドルを切り足していったときに追従してくれるしフロントが逃げないから安心感がある。コーナリング中に突然アクセルオフにしても乱れず、安定感も高く保たれている。グリップ限界を超えて滑り出すときはとても穏やかでゆっくりと出ていくからコントロールしやすい。スキール音はなかなか出にくく、最後のところで軽くキー音が聞こえる程度だった。

限界領域でも穏やかな特性|プライマシー4が扱いやすい理由とは

フォルクスワーゲン ゴルフのハンドリング路での印象はA4よりさらに良く、A4より操舵力が軽めで楽に走れた。またゴルフも攻めていってもスキール音がなかなか出なかった。パワーオンでもアンダーステアが弱く、タイトターンが連続するハンドリング路であるが気持ちよく走れた。ちょっとしたスポーティタイヤのレベルのグリップがあった。

プライマシー4のしっかりとした高いグリップは、新しく開発されたトレッドコンパウンドのお蔭だ。また限界付近でもグリップの変化が穏やかで扱いやすい理由は、接地面形状の変化が穏やかだからだろう。トレッドのプロファイルをみると、ショルダー部分がなで肩なので、横Gがかかってゴムの接触するゾーンが変わっていっても、急激な接地面積の変化が小さいデザインになっている。

落ち着いた反応でロングドライブでも疲れ知らず

周回路でプライマシー4を試すと、微小操舵での応答性と手応えが良かった。直進時のニュートラル感がとても穏やかで良い。センター付近の無駄な遊び感がほとんどなく、しかし反応が過敏でないから操りやすいのだ。応答性はハンドル角に比例した動きで応答遅れも感じられない。この大人で落ち着いた反応は、長距離ドライブでも疲れ知らずで走れそうだ。

こうしたニュートラル感の良さや応答性の素直さも、トレッド面のプロファイルが丸くなっていることが良い結果を生んでいるのだ。

A4、ゴルフともに、ハイスピード走行で危険回避を想定した急激なレーンチェンジをしても素早い動きをこなしてしまう。ゴルフは素早いノーズの動きがあり、急操舵で大きな舵角まできるとややリアが出るが、ESCの作動によりすぐに収まるから問題ないだろう。A4はリアがしっかり路面に食いついていて、動きは素早いが安定を持続する。

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菰田 潔
筆者菰田 潔

学生時代から始めたレースをきっかけに、タイヤのテストドライバーになり、その後フリーランスのモータージャーナリストに転身。クルマが好きというより運転が好きなので、その視点でクルマの評価をしている。日本自動車ジャーナリスト協会副会長。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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