モータージャーナリストも勉強します。横浜ゴム、タイヤ冬期講習会【前編】(4/4)

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スタッドレスもオールシーズンも用途に応じて履きこなそう

結論としては日本でも、幹線道路の除雪が行き届く地域なら、駐車場からそこに出るまでのエマージェンシー用タイヤとしてオールシーズンタイヤは有効だと思われる。いわゆる北米的な使い方だ。そうすれば夏は通常タイヤと同じグリップ性能が、そして冬場の低温時にはスタッドレスタイヤよりも高い排水性と高速安定性が活すことができ、結論としては経済的である。

こうした慎重な物言いをするのは、やはりそこに安全という二文字があるから。だからこそ横浜ゴムを始め、多くの国内タイヤメーカーはウインタータイヤやオールシーズンタイヤを日本で販売していないのだと思う。

大径タイヤを履くSUVユーザーや、車輌の大きなミニバンユーザーにとってタイヤの交換は非常に面倒なもの。その気持ちはわかるけれど、万全を期すならば、シーズン毎のスタッドレスタイヤへの履き替えは行った方がよい。もしくはオールシーズンタイヤの弱点を理解して使おう。

高速安定性や排水性に関しても年々性能が上がってきているだけに、冬期低温時のグリップ確保という意味でも現状はオールシーズンタイヤよりスタッドレスタイヤの方が、積雪時のリスクは少ないのではないかと思う。

繁忙期を避けた11月ごろにスタッドレスタイヤを履き、やはり繁忙期をずらした3月頃に夏タイヤへと履き替える。シーズンを通して2セットのタイヤを使い分けることで、長い目で4シーズンくらいずつ両方を使えば、節約を狙ってクルマをぶつけてしまった修理費よりは遙かに安くつき、安心をも買えるのではないか。

もしくは非降雪地域であれば、たとえ雪が降ったとしても2~3日もあれば消える。ならば雪が降ったらクルマには乗らない。これがもっとも明快なリスク回避の方法だ。

ちなみに筆者はこの試乗会で横浜ゴムのエンジニアに「もしこのウインタータイヤに、アイスガード6の吸水ゴムだけでも搭載したら、氷路面でのリスクはさらに減らせるのではないか?」と尋ねた。

すると即座に「耐摩耗性の低さ」が答えとして帰ってきた。トレッド面にミクロの吸水バルーンを仕込んだソフトコンパウンドは、温度領域が高くなる夏場では減りが早く、オールシーズンタイヤとしての経済性には背反するのだという。

やはり道具は使い方次第。現状、魔法のタイヤは存在しないのである。

≫【後編】に続く

[筆者:山田 弘樹/撮影:横浜ゴム]

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山田 弘樹
筆者山田 弘樹

自動車雑誌編集者としてキャリアをスタート。輸入車雑誌 副編集長、アルファ・ロメオ専門誌編集長等を経て、フリーランスのモータージャーナリストに。レース参戦なども積極的に行い、走りに対する評価に定評がある。AJAJ会員。カーオブザイヤー選考委員。記事一覧を見る

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