ポルシェ パナメーラ 海外試乗レポート/河村康彦 編(3/4)

  • 筆者: 河村 康彦
  • カメラマン:ポルシェジャパン株式会社
ポルシェ パナメーラ 海外試乗レポート/河村康彦 編
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安定感をキープし続ける“走りの王者”の風格

ポルシェ パナメーラ ターボ

この9月からの欧州市場でのデリバリー開始を前に、6気筒モデルとハイブリッド・モデルを後に追加する事がすでに公にされているパナメーラ。

ただし、ドイツ南部で開催された今回の国際試乗会に用意されたのは「S」、「4S」、そして「ターボ」という3グレードのみ。

いずれもカイエン用に大幅なリファインを加えた4.8リッターV型8気筒エンジン搭載モデルとなる。

アルミニウムやマグネシウム、さらには高張力鋼板などの軽量部材を“適材適所”に用いて、ポルシェ車ならではの高い剛性とクラスをリードする軽さを両立させたパナメーラのボディ。

それゆえに、例え自然吸気モデルでも際立つ動力性能を示すのが、この4ドア・モデルの走りの大きな特長だ。

日常シーンでは高級サルーン風味の滑らかさをタップリと演じつつ、3,000rpm付近からは“純正ポルシェ・スポーツカー”をアピールする凄みあるサウンドと共に、弾けるパンチ力を発揮。

ちなみに、基本的には自然吸気モデルと同様のキャラクターを示しつつも、同等以上のパンチ力を、僅か半分少々であろうアクセルの踏み込みで具現させてしまうのが、「ターボ」の走りのテイストだ。

今回テストの「S」と「4S」は、「ターボ」に標準採用のエアサスペンションをオプション装着。その効果もあってか、いずれのモデルでも驚かされたのが、いかにも高級セダン然とした快適そのものの乗り味。

一方で、路面との間に圧倒的に色濃いコンタクト感を生み出しながら、際立つ安定感をキープし続ける“走りの王者”の風格は、例え2WDモデルの「S」でも4Sやターボという4WDモデルと同様。

アウトバーンでは速度が高まるほどに安定感が増すなど、空力性能の高さが実際にイメージ出来たのにも驚いた。

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河村 康彦
筆者河村 康彦

1960年東京生まれ。工学院大学機械工学科卒。モーターファン(三栄書房)の編集者を経て、1985年よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動を開始し、現在に至る。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー選考委員 などを歴任。記事一覧を見る

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