ポルシェ ケイマンS 試乗レポート/金子浩久(1/2)
- 筆者: 金子 浩久
- カメラマン:茂呂幸正
新型ケイマンを試乗!“獰猛なワニ”は果たしてどのように進化したのか!?
ケイマンSとケイマンがフルモデルチェンジされた。昨年モデルチェンジされたボクスターの兄弟とも言うべき、ポルシェのミッドシップスポーツカーだ。
ポルシェの代名詞的な存在である911がリアエンジンで、小振りなリアシートを備える2+2のシートレイアウトを採用するのに対して、ケイマンとボクスターは純粋な2シーター。そこが決定的に違う。
さらにケイマンが固定されたルーフを持つのに対して、ボクスターは電動スイッチで開閉するキャンバス(強固な構造材入り)ルーフを備えている。
屋根が開くか開かないか。それがケイマンとボクスターの最大の違いだ。
エンジンは同じなのだが、ケイマンとボクスター、ケイマンSとボクスターSでそれぞれ最高出力が10馬力ケイマンの方が大きい。
“屋根が開かず、10馬力大きいのがケイマン”と憶えておいて間違いない。
そのエンジンはガソリン直噴水平対向6気筒。ケイマンの排気量が2.7リッター、ケイマンSのそれが3.4リッター。トランスミッションは6速MTと7速AT(PDK)。
PDKというのは、「ポルシェ・ドッペル・クップルング」の頭文字をつなげたもので、2ペダル式のツインクラッチトランスミッションのことだ。
ポルシェはPDKを1980年代からグループCカーレースを通じて開発を始め、現在ではカイエン以外のすべてに採用している。
ケイマンのエクステリアデザインは先代のイメージを受け継ぐものの、造形そのものは大きく変えてきた。先代よりも複雑な曲線や曲面を多用し、角度によって様々な容貌を見せる。
特に、異形ヘッドライトユニットとボディサイドのエアインテイク、リアのエアスポイラーは目を引く。
ボクスターの海外メディア試乗会でデザイナーのミッチャ・ボルカートは「新型ボクスターには、カレラGTや918スパイダーのディテイルやイメージを盛り込んだ」と力説していたから、ボクスターとその兄弟であるケイマンには新しいカタチで新しい息吹を吹き込みたかったのだろう。
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