ポルシェ カイエン 試乗レポート
- 筆者: 石川 真禧照
- カメラマン:原田 淳、難波 賢二
ポルシェの歴史のなかで初のSUVであり、初の4ドア車でもあるカイエン
ポルシェが同社の歴史のなかで初めてSUV(スポーツユーティリティビークル)のカイエンを発表したのは2002年だった。このSUVは、スポーツカーメーカーのポルシェがはじめてつくった4ドア車でもあった。
発売当初のエンジンバリエーションはV8 4.5Lと4.5Lターボの2種類。そのパワーとトルクは圧倒的で、ターボはツインターボを装着し、450ps、620N・mを誇った。しかし、ポルシェと過激なオーナーたちはこれでも満足せず、05年2月には16台の限定車「カイエンターボ ハイパフォーマンスエディション」を公表した。この限定車はパワーを500ps、トルクは700N・mへ高め、加速も0→100km/hをノーマルターボの5.6秒から5.3秒、最高速も 270km/hへとアップさせた。
一方、廉価モデルは03年9月にV6 3.2Lモデルを追加し、バリエーションを拡大 し ている。
エクステリア、インテリアともに911と似たデザインを採用している
ポルシェらしさを感じさせるSUVデザインを完成させるために、ポルシェはかなりの時間を費やしている。その結果、ヘッドライトとボンネットの位置や傾斜は、911とかなり似ているものになった。リアスタイルもバンパー下のマフラーのイメージが、911と同じなのだ。
ボディサイズは全長4800mm、全幅1950mm、全高1700mmになった。装着するホイ ールはカイエンとSは17インチと18インチが標準。ターボも18インチホイールを装着し ているがオプションで19インチの装着も可能だ。
あまり実車は見かけないが、リアにスペアタイヤを背負うこともできる
インテリアはエクステリア以上に911に似たイメージを意識している。とくにドライバーの前にある5連メーターのレイアウトは911と同じだ。ミッションは6速ティ プ トロと6速マニュアルが選べる。ハンドル位置はカイエンSにのみ左ハンドルが用意されている。
V8 4.5Lのツインターボ搭載車は6秒で100km/hまで加速する
V8 4.5Lツインターボを搭載し、6速ティプトロミッションのモデルから試乗した。Dレンジにシフトして、アクセルをゆっくりと踏みこんだつもりだったが、450ps、620N・mの性能は、かなりのダッシュで走り出した。2000回転からの加速でも助手席の人が頭をかるくのけぞらせるぐらいのGがかかる。手許のストップウォッチで計測しても0→100km/hは6秒台だった。マニュアルモードを選択して、6000回転まで引っぱると1速で60km/h、2速で100km/h、3速では160km/hに達する。
100km/h巡航は6速(Dレンジ)で1800回転と低く、経済走行も可能なのだ。
V6 3.2Lモデルは、さすがに高速走行や加速はV8モデルに遅れをとる。しかし、ワインディングでは様子が変わってくる。フロントの軽さ(車重はV6とV8では150 ㎏以上も差がある)がハンドリングの軽快さになるのだ。ポルシェ独自の4WDシステムがフロント38%、リア62%というトルク配分なことも、この軽快さを助けている 。
日本で乗り回すには少々大きいが、大きさに関係なく着実に販売を伸ばしている
ポルシェはカイエンを主にアメリカ市場に向けて開発し、投入した。だからボディサイズは日本で常用するには大きく感じる。日本でのユーザーは主に、ポルシェ911などを所有しているリッチユーザー。彼らにはボディサイズなどあまり関係ないようで、日本での販売も着実に伸ばしているようだ。
中古車市場でもタマ数が少なく人気車種のひとつになっている。
カイエンのバリエーションはV6 3.2Lの廉価モデルからV8 4.5Lのノンターボ、ターボモデルまで用意されている。
これらのモデルの特徴だが、V6モデルはハンドリングを楽しむモデル。カイエンで 走りを楽しみたいならこのモデルだ。V6にくらべ、パワー、トルクが圧倒的に大きいV8は、本気で走ったら免許証と命がいくつあっても足りない。ポルシェのSUVに乗っているんだ、という満足感でちょっとアクセルを踏みこみ、瞬間の強烈な加速を楽しみたいオーナー向けだ。
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