日産 ジューク 試乗レポート／小沢コージ(3/3)

あのゴーンさんも「グッジョブ！」

走り出すと、これがまた意外。一瞬、スポーツカーとSUVのクロスオーバーってことで、BMW MINI的なキビキビさを強調した感じになっているのかと思いきや、非常に大人びてる。

エンジンも114馬力の1.5リッターということで期待はしてなかったが、1気筒当たり2つに増やしたデュアルインジェクターシステムや、日産自慢の副変速機付きのエクストロニックCVTにより、発進からスムーズかつ力強い。まぁ、わずか1,100kg台というコンパクトSUVならではの車重も幸いしてるようだけども。

高速に入っても足は硬めだが、乗り心地はフラットで良好。ハンドリングもビシッと安定する「直線番長タイプ」で、それでいてレーンチェンジをするとボディがほとんど傾かずシャープに動き、驚くほどスポーティ。リアルスポーツではないが「スポーティなSUV」と言える動力性能。

この辺の実力はさすがに日産、オシャレなだけの輸入車ではこの味は出せないだろう。

操作系にもジュークならではのユニークポイントがあって、それは大型ナビモニター下の「ドライブモードコントロール」。

これがざっくり「ノーマル」「スポーツ」「エコ」の3モードが選べ、一瞬エアコンの切り替えスイッチ？かと思いきや、空調だけでなくエンジン特性、ギアボックスのCVT特性まで一括で制御。

この辺りの力の入れ具合もさすがに日本車、170万円台とは思えないレベルだ。

聞けばジューク、試乗直後のカルロス・ゴーン社長も親指を上げて「グッジョブ！」と言ったそうで出色の出来。

一応、ヨーロッパメインのニューコンセプト商品だが、日本でも結構ウケるんじゃないでしょうか。