2009年下半期ベスト・バイ・カー/河村康彦(2/2)
- 筆者: 河村 康彦
【輸入車編】トータルベストカー/フォルクスワーゲン ポロ
フルモデルチェンジになったポロにドイツで初めて出会った時、まずはその見た目の質感の高さに驚いた。エクステリアもインテリアも、このモデルの仕上げはどこをとっても「コンパクトカーらしさ」を感じさせない。
こうした点は兄貴分のゴルフに定評があるが、今度のポロにはその仕上がりがそのまま“移植”されている印象だ。
新しいポロの「凄さ」は、走り始めると確信に変わった。静粛性の高さはクラスの常識を超えているしボディのしっかり感も同様。
そんなこのモデルは、ボディサイズの大型化にも関わらず、軽量化まで実現しているという。ことほどさように新型ポロは、今のところまさに非の打ち所の見当たらないニューモデルと思える。
【輸入車編】ベストハンドリングカー/ポルシェ 911ターボ
ついに完全新設計の直噴エンジンと、そもそもはポルシェが“本家”であるデュアル・クラッチ方式のトランスミッションを手に入れ、またまた加速の能力を引き上げた最新の911ターボ。
しかし、そんな911ターボに乗った驚きは、そうした動力性能面でのリファインのみに留まらなかった。ブレーキ・システムを賢く用いたトルクベクタリング・メカや、ダイナミック・エンジンマウントという新たに設定されたオプションアイテムを選択する事で、ハンドリングの自在度がさらにアップ。
500psものターボパワーを秘めたとは思えないイージーさで、サーキットドライブを楽しませてくれる点には驚くばかりだ。
【輸入車編】ベストデザインカー/ジャガー XJ
メルセデス・ベンツにBMW、さらにはアウディにレクサス・・・世界に冠たるブランドが生み出す既存サルーンのデザインに、見事に新たな一石を投じたのがジャガー XJ。
エクステリアもインテリアも「他の誰にも似ていない」というそのルックスは、新世代のジャガーに込められたクルマづくりへの意気込みを、そのままダイレクトに感じさせるもの。
シックで落ち着いた雰囲気こそがジャガーらしさと理解する“これまでのジャガー・ファン”からは、大きなコンプレインが聞かれる可能性はもちろん予想されるものの、そうした重圧としがらみを跳ね除けてこうしたモデルが生を受けたことこそに、今のジャガーの強さと不退転の決意を実感出来る。
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