日産 デュアリス 試乗レポート

  • 筆者: 松下 宏
  • カメラマン:原田淳
日産 デュアリス 試乗レポート
フロントスタイル リアスタイル フロントビュー リアビュー サイドビュー インパネ フロントシート リアシート ラゲッジ ガラスルーフ エンジン 画像ギャラリーはこちら

カジュアルでライト感覚なSUV

イメージ
フロントスタイルリアスタイル

デュアリスは日産が欧州で開発・生産を進めるSUV。欧州ではキャッシュカイの名前で販売されており、すでに6万台を超える受注を集めた人気モデルだという。日本へはイギリスのサンダーランド工場で生産されたモデルが輸入され、九州工場で納車前整備を行った上でデリバリーされる。日本のユーザーには欧州車であることの不利をほとんど感じさせることなく納車できるという。

全長が4400mmを切る比較的コンパクトなSUVながら、全幅は1780mmもあってかなりワイドなクルマ。SUVとはいえ本格的にオフロードを走るようなタイプのモデルではなく、よりライト感覚のSUVに仕上げられている。

日産にはエクストレイルというSUVの大ヒットモデルがあって、そのフルモデルチェンジの時期が近づいているが、エクストレイルが本格的なSUVであるのに対し、デュアリスはよりカジュアルなクルマに位置付けられている。欧州では上級のハッチバック車をイメージしして作られているようだ。

ハッチバッククーペを思わせるデザインと乗用車ライクな乗降性

インパネ
フロントシートリアシート

ライト感覚のSUVという特徴は外観デザインにも良く表れていて、特に流れるようなラインを描くサイドビューなどはSUVらしい印象ではなく、ハッチバッククーペを思わせるほどだ。またフロント回りのデザインが特徴的で、大きなヘッドライトなどが独特の存在感を表現している。ややアグレッシブにすぎるきらいがないでもないが、最近の欧州ではこれくらいの迫力がないと個性を表現できずに埋没してしまうようだ。

運転席に座るとそれなりに視界が開けるのに、乗り降りにはそう苦労させられることなく、自然な姿勢のままで乗り降りできる。このあたりも乗用車に近いライトSUVのイメージである。

十分にサイズがあってドライバーを包み込むと同時に、しっかりしたホールド性も実現したシートは開発にかなり苦労したとのこと。欧州のシートメーカーのノウハウも反映されているはずで、なかなか良いシートに仕上がっている。

後席の空間は足元には十分な広さがあるが、スタイリッシュガラスルーフ装着車ではシェードの収納部分があるためヘッドクリアランスの余裕はやや小さい。

想像する以上に軽快で落ち着いた走り

エンジン
メーターシフト

搭載エンジンは直列4気筒2.0LのMR20DE型で、トランスミッションはエクストロニックCVTのみの設定。欧州からの輸入車とあって仕様を絞り込んだ設定にしている。グレードも2グレードのみの設定で、駆動方式は2WDと4WDの設定がある。試乗したのは4WD車だ。

SUVであるために車両重量は1500kg弱とやや重い。101kW/200N・mというパワー&トルクも際立って優れたものではないので、乗る前には実際の走りがどんなものかと思ったが、想像する以上に軽快な走りを示してくれた。ボディの重さと動力性能の関係を忘れてしまうくらいの軽快さだ。

エクストロニックCVTはかなり良くなっていて、エンジン回転の上昇と車速の上昇との違和感を極力減らしたとのこと。そうはいってもまだ多少の違和感が残るし、高回転域ではCVTの作動音も聞こえるのだが、全体としてのまとまりはけっこう良い。

足回りはザックス社との共同開発によるショックアブソーバーなど欧州製の部品を使っていることが効果を発揮してか、SUVとは思えない走り。ワインディングでの軽快感のある走りや高速域での落ち着きなどがSUVを超えた性能を感じさせた。

個人的には4WD車がお勧め

フロントランプリアランプ

最近はSUV系のモデルでも2WDを選ぶユーザーが増えているが、個人的には古い考えにとらわれているためか、SUVで4WDじゃなかったら意味がないのでは、と思ってしまう。2WDで良いなら、ほかに良いクルマがいくらでもあるからだ。なので基本的には4WD車がお勧めとなる。

グレードは20Sと20Gが設定されていて、20Gにはキセノンヘッドライト+オートライトシステム、本革巻きステアリング、インテリェジェントキー、スタイリッシュガラスルーフなど、いろいろな快適装備が標準で用意される。27万円ほどの価格差はけっこう大きいが、上級グレードの20Gを選んだほうが長く満足して乗れると思う。

実際に購入するときにはカーナビ系と安全装備系のふたつのセットオプションの装着が必要。特に安全装備は横滑り防止装置のVDCと後席中央3点式シートベルト、SRSサイド&カーテンエアバッグが含まれるので、忘れずに注文したい。このオプションを装着すると納期に時間がかかるようだが、安全装備をケチるべきではない。そもそもメーカーが標準で装備しておかなければいけないものだ。カーナビもバックモニターやサイドモニターがセットになるので、純正品を装着したい。

20G FOURにカーナビと安全装備をオプション装着すると、車両価格は300万円近くになるが、デュアリスはそれくらいの予算で買うクルマである。

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松下 宏
筆者松下 宏

自動車そのものはもとよりクルマに関連する経済的な話題に詳しい自動車評論家。新車、中古車を含めてユーザーサイドに立った的確な購入アドバイスを語ることで定評がある。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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