日産 ブルーバードシルフィ 試乗レポート

  • 筆者: 松下 宏
  • カメラマン:原田淳
日産 ブルーバードシルフィ 試乗レポート
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ブルーバードの名前は残してフルモデルチェンジ

ブルーバードは日産のミドルセダンとして長い歴史と伝統を持つブランド。ひとつ前のモデルではプラットホームを変更したことなどもあってシルフィのサブネームを付けて登場し、徐々に車名をシルフィに変更するかのような展開になっ ていたが、ブルーバードの名前なくすことはできず、ブルーバード・シルフィと してフルモデルチェンジされた。

今回のモデルではボディの全幅は5ナンバー車の枠内に収めながら、全長を延長することによって大きな室内空間を作ったのがポイント。新しいパッケージを採用した。

またクルマ作り全般において、40代の女性ユーザーを意識した点も見逃せない。 クルマ購入の意思決定において女性の意見が大きく影響するとの調査に基づいてのことだそうだが、外観デザインや内装の仕様などに、女性を意識した点が多く見受けられる。

男尊女卑の考えから抜け出せない男性ユーザーとしては、女性におもねりすぎた印象もあるのだが・・・。

美しいデザインのクルマ

40代の女性がクルマを選ぶときのポイントはひとつが外観スタイルで、シルフィではそれを意識してSモーションと呼ぶ緩やかなラインで構成される美しいデザインのクルマに仕上げている。前後のランプ回りのデザインなど、ディテールの部分では必ずしも女性向きとは思えない部分もあるが、デザインに力を入れたセダンであるのは確かだ。

インテリアのデザインもSモーションがテーマで、運転席回りは流れるようなライン異で包み込まれるような雰囲気。二枚貝を開いたようなデザインのリヤシートも印象的だ。ツートーンにコーディネートされた内装のカラーや随所に配置された木目調のパネルなどが品質感を表現している。日産はティアナでモダンリビングの考え方を提唱したが、シルフィによってそのラインナップが完成した。

ボディサイズが大きくなり、ホイールベースが延長されたので、室内空間は大きく広がった。特に後席の居住空間が大きく広がったのが注目されるところで、有効室内長や後席のニールームはシーマよりも広い。

足回りも操縦も優れたバランス

搭載エンジンは1.5Lと2.0Lの2機種。試乗したのは2.0LのMR20DE型エンジンの搭載車だ。パワー&トルクは98kW/141N・mの実力で、2.0Lの自然吸気DOHCエンジンとしては控えめな数字。ライバルのプレミオは直噴仕様によって2.0Lで114kWのパワーを得ているから、馬力で言うと20馬力以上の違いがある。

ただ、実際に走らせた印象にはそれほどの違いはない。シルフィでは最高出力を発生する回転数が低めに設定され、低速域から十分なトルクを発生するので、スムーズで力強い走りが可能だ。これにはエクストロニックCVTも貢献している。

このCVTはすでにいくつかの日産車に採用されているもので、今回のシルフィでは一段とスムーズな走りを実現している。大きく改良が進んだ印象だ。

同様に電動パワーステアリングも良くなっていて、フリクションなどを感じさせることなく、低速域での操作のしやすさと高速域での確かな手応えとが両立されている。

足回りはちょっと意外なくらいにしっかりした乗り味。乗り心地も決して悪いものではなく、操縦安定性とのバランスが良い。

オススメは2.0L

シルフィには従来と同様、1.5Lエンジンの搭載車も設定されているが、こちらは電子制御4速ATとの組み合わせ。それで価格は180万円に近いので、割安感には欠ける印象。4WD車が欲しいユーザーは1.5Lを選ぶしかないが、一般的には2.0Lエンジンの搭載車が本命になるだろう。

2.0Lエンジンの搭載車はFFだけ。3グレードが設定されているが、お勧めは本体価格が200万円をわずかに切る中間グレードの20M。これにカーナビやインテリジェントキーなどのオプションを装着(合計すると40万円を超えるが)すれば、十分に満足度の高い仕様になる。

快適装備では運転席オートドライビングポジションシートが注目されるところで、これは前述のインテリジェントキーなどとセットでオプション設定されている。

逆に安全装備は横滑り防止のVDCがオプション設定もされておらず、この点では明らかに遅れているというか、今しどきのクルマとしてどうかと思わせるものがある。早く全車に標準装備すべきだと思う。

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松下 宏
筆者松下 宏

自動車そのものはもとよりクルマに関連する経済的な話題に詳しい自動車評論家。新車、中古車を含めてユーザーサイドに立った的確な購入アドバイスを語ることで定評がある。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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