ポルシェ タイカンのワールドプレミアを世界3大陸で同時に開催|電動でも761PSを叩き出すスーパーカーがデビュー間近

タイカンのワールドプレミアが世界3大陸で同時に開催

ポルシェAGは2019年9月4日、ポルシェ初のフル電動スポーツカー タイカンのワールドプレミアを世界3大陸で同時に開催した。

最初に導入されるのはタイカンターボSとタイカンターボだ。この2つのニューモデルはポルシェEパフォーマンスの最先端であり、スポーツカーブランドのポルシェの現行ラインナップの中で、もっともパワフルなモデルでもある。また直近では、今年中に出力の少ない4輪駆動モデルが登場する。

さらに2020年の終わりまでには派生モデルとしてタイカン クロスツーリスモがデビューを予定している。なおポルシェは、2022年までに60億ユーロ以上を電動化関連に投資する予定だ。

>>電動化してもポルシェのクルマ作りに妥協なし! ポルシェ タイカンの内外装を画像で見る(11枚)

タイカンの主な性能

タイカンのトップエンドモデル、タイカンターボSはローンチコントロールとの組み合わせで最大560kW(761PS)のオーバーブースト出力を発生することができる。タイカンターボの最高出力は500kW(680PS)だ。

タイカン ターボSは静止状態から100km/hまで2.8秒で加速し、タイカンターボでは3.2秒だ。ターボSの航続距離は最大412km、ターボは450kmだ(WLTPに準拠)。いずれのモデルも最高速度は260m/hだ。

最速22分30秒で80%まで充電可能

タイカンの電圧は電気自動車用の通常400Vではなく800Vのシステム電圧を備えた初の市販車だ。これはタイカンのドライバーにとって路上での大きなメリットです。わずか5分程度で、高出力充電ネットワークの直流(DC)を使って、最高100kmの航続距離に必要なエネルギーをバッテリーに充電できる(WLTPに準拠)。

バッテリーの充電状態(SoC=State of Charge)が5%の状態から80%まで充電するのに必要な時間は最大充電容量270kWでの理想的な状態において22分30秒。パフォーマンスバッテリープラスリチウムイオンバッテリーの総容量は最大93kWhだ。

タイカンのドライバーは、自宅で最大11kWの交流(AC)で快適に充電することができる。

エクステリアにも多大なこだわりが詰まっている

タイカンの明確で純粋なデザインはポルシェのデザインDNAを保持している。フロントから見ると曲線の強いフェンダーによって極めてワイドかつフラットに見える。

シルエットは後方に向かって下向きに傾斜するスポーティなルーフラインによって形作られ、彫りの深いサイドセクションも特徴的だ。流線形のキャビン、テーパーの付いたリアCピラー、そしてフェンダーの目立つショルダーは、ブランド特有のシャープに強調されたリアをもたらす。

リアのライトバーに統合されるガラスルックのポルシェロゴなど、革新的なエレメントも備える。Cd値0.22という基本形状の最適なエアロダイナミクスは、低いエネルギー消費により、長い航続距離に大きく寄与する。

スポーツカーながら乗り心地の良さも実現

インテリアにおいては、まず独立型の湾曲したメータパネルがダッシュボード上に頂点を形成する。これはドライバーが中心であることを明確に重視している。

中央の10.9インチインフォテインメントディスプレイとオプションのパッセンジャーディスプレイの組み合わせは、ブラックパネルルックの一体化されたガラス画面を形成する。

また全てのユーザーインターフェースはタイカンのために新たにデザインされ従来の制御用スイッチやボタンなどは大幅に削減されている。これらに代わってタッチ操作や“Hey Porsche”コマンドに応答するボイスコントロール機能が備わったことから、インテリジェントで直感的な制御が実現している。

さらにフットガレージは後席足元のバッテリーのくぼみで、スポーツカー特有の低い車高においても後席の快適な座り心地を可能にした。2つのラゲッジコンパートメントが用意されており、フロントコンパートメントは81リッター、リアコンパートメントは366リッターの容量を備えている。

2速トランスミッションで高いエネルギー残量を保証

タイカンターボSとタイカンターボは、2基の非常に効率的な電気モーターをフロントアクスルとリアアクスルに1基ずつ搭載しており4輪駆動となる。航続距離とドライブの連続出力の両方が、高効率の永久磁石同期モーターによるメリットを受ける。

電気モーター、トランスミッション、パルス制御インバーターは、それぞれコンパクトなドライブモジュールに統合されている。このモジュールは市販されている全てのエレクトリックパワートレインの中で最高の電力密度(パッケージスペースの1リッターあたりのkW)を備える。

また電気モーターの特徴はソレノイドコイルのヘアピン巻線だ。このテクノロジーによってさらに多くの銅をステーターに組み込むことが可能になり体積は同じまま出力とトルクが増加する。

リアアクスルに搭載された2速トランスミッションはポルシェが開発したイノベーションだ。1速は静止状態からの発車時にタイカンにさらに大きな加速を与える。

一方、ロングレシオの2速は高い効率と同時に高いエネルギー残量を保証する。これは高速走行時にも適用される。

意味のある3か所でのワールドプレミア

ポルシェタイカンのワールドプレミアは北米、中国、ヨーロッパにて同時に行われた。これらはフル電動スポーツカーのタイカンにとってもっとも大きなセールスが見込まれるエリアだ。この3つのロケーションは各大陸において再生可能エネルギーを象徴する3つの場所でもある。

米国のニューヨーク州とカナダのオンタリオ州の国境にあるナイアガラの滝、ベルリン近郊のノイハルデンベルクのソーラーファーム、そして中国福建省の福州市から約150km離れた平潭(ピンタン)島のウインドファームがタイカンのワールドプレミアに会場として選ばれた。

ポルシェAG 取締役会会長 オリバー・ブルーメ氏のコメント

タイカンは過去70年以上に渡って世界中の人々を熱狂させてきたポルシェブランドの歴史と輝かしい未来を繋ぎます。今日が新しい時代の幕開けです。

ポルシェAG 研究開発担当役員 ミヒャエル・シュタイナー氏のコメント

フルエレクトリックであっても、ポルシェは常にポルシェです。これまでのポルシェプロダクトがそうであったように、タイカンはテクノロジーとドライビングダイナミクスのみならず、世界中の人々の情熱を刺激する魅力的なスポーツカーです。

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樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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