スバル、完成検査問題の報告書内容と、再発防止に向けての取り組み

スバルは、2017年10月に発覚した群馬製作所の本工場および矢島工場における完成検査の不適切な事案に関し、2017年10月30日、国土交通省より、完成検査の業務体制改善の指示とともに、不適切な完成検査の過去からの運用状況等事実関係の詳細を調査し、報告することを要請された。

これを受けスバルは、客観的・中立的な立場から検証を行うため、2017年11月1日、長島・大野・常松法律事務所に対しての調査を依頼し、2017年12月19日に報告書を受領した。

「不適切な完成検査の過去からの運用状況等、事実関係の詳細」報告書内容

報告書における完成検査運用の事実関係

・社内規程に抵触する登用前検査員単独による完成検査行為

・登用前検査員による他人の印鑑の不適切な使用

・社内外の監査時における不適切な対応

・完成検査員登用手続における不十分な資格講習や登用教育

・不適切な終了試験

報告書における完成検査問題の原因・背景

・完成検査業務の公益性・重要性に対する自覚の乏しさ

・現場における過度な技量重視の風土

・「補助業務」の便宜主義的な解釈

・ルールの合理性に対する懐疑

・部署間・職階間のコミュニケーション不足

・完成検査業務に対する監査機能の弱さ

報告書において、とりわけ、スバルの経営陣が完成検査業務の適正な遂行を確保する前提として、完成検査業務の実態についてより積極的に注意を払うべきだったとの厳しい指摘をされている。

今後の展開と再発防止策

スバルは、完成検査および型式指定制度が有する公共性、完成検査にユーザーが期待している信頼に対する自覚が希薄であり、指摘をされた不適切な完成検査の実態が長期にわたり継続していたことが紛れもない事実であると正面から受け止め、これを自らの手で改善できなかったことを、経営陣以下極めて深く反省するとしている。

今後は、ユーザーの信頼を取り戻すため、スバルの経営トップが率先しあらゆる現場に向け、完成検査業務の公益性および重要性、コンプライアンス意識の改善の必要性を説くことでスバル従業員全体の意識改革を進めていくとのこと。

スバルの完成検査問題への再発防止策

・完成検査業務の実態への対応

・完成検査員の登用前教育への対応

・完成検査員の人事管理

・完成検査の重要性に関する全社的な理解促進

・完成検査業務に関する組織体制の強化

・監査体制の強化

・現場と管理者、管理部門とのコミュニケーションの促進

・再発防止策の実施状況の継続的なフォロー

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