日産プリンススカイラインの車名、実はゴルフボールと不思議なつながりが…!

■ブリヂストン創始者である石橋正二郎氏が深く影響している?

スカイライン (初代・ALSI型)プリンス スカイラインスポーツ クーペ(1962)

スカイラインという車名は、奥が深い。ご承知のとおり、スカイラインは日産と合併前からのプリンスの車種だ。プリンスはブリヂストン創始者である石橋正二郎氏がオーナーだった。

石橋氏は立川飛行機の流れをくむたま電気自動車に1949年に出資し、1954年に中島飛行機の流れをくむ富士精密工業と合併(存続社名は富士精密工業)して引き続きオーナーとなる。将来への飛躍を期して、社運をかけた新型乗用車の開発は1953年5月にスタート。1956年5月には試作1号車が完成している。

懐かしの「プリンス スカイライン」フォトギャラリー

■プロポーションにこだわり、当時欧米で流行していたテールフィンを取り入れた

スカイライン (S50型)プリンス スカイライン2000GT-A(1965)

スカイラインは、基本性能の向上はもちろんのこと、何よりも気を配ったのはプロポーションの近代化だった。

背が低くスマートなスタイリングを意識して、本来はモノコック式とすべきところ、技術的にはまだ不安があり、バックボーンフレームの下側に床板を付けたセミフレーム構造とした。後輪は車体側にデフを固定するド・デオンを採用して重心を低くした。

これらの効果によって旧型のプリンスセダンより約100mm全高を低くすることができた。こうした基本形状をベースに、当時欧米で流行していたテールフィンを取り入れたアメリカンなデザインとした。

■新型乗用車のアピールポイントを巧みに捉えたネーミング

スカイライン (初代・ALSI型)プリンス スカイライン1500デラックス(1960)

車名は「自動車ガイドブック 1967-68年版」によると『山、建物などの空に接する輪郭線や、地平線の意味がある。この言葉から聞こえるスマートな感じを、1932年に発売された新型乗用車のボデーとベルトラインの流れるような線を結びつけて名づけた』とある。モダンなスタイルに一新した新型乗用車のアピールポイントを巧みに捉えたネーミングだった。

さて、命名のいきさつを『愛の車と販売網を育てた記録 日産プリンス自販三十年の歩み』を参考にご紹介しよう。

首脳陣が集まり名前を検討したが、当初は「スカイウエイ」という案がでて、オーナーの石橋正二郎氏は「天国に通じる道につながる」ということでボツに。次に「スカイライナー」の案が出るも語尾の「ナー」の語感がイマイチということでNG。そこで、スカイラインという案が出る。「山の端」という意味合いから反対意見が出るものの、結局はスカイラインに決まったという。

■ブリヂストンがこだわる「スカイ」というワード

スカイライン (S50型)プリンス スカイライン1500デラックス(1963)

ここで登場するいずれの案はすべて「スカイ」という名前が付く。調べてみると、どうやらブリヂストンでは「スカイ」というテーマにこだわりがあったようなのだ。

1951年8月に「ブルースカイ」「スカイウェイ」の名前でゴルフボールの販売を再開。実はクルマとしての商標登録を特許庁に出願したのが1957年2月2日で「SKYWAY」と「SKYLINE」が同時だった。申請の順番と初案から考えるとスカイウェイはブリヂストンにとって大切な名前だったようだ。

この後、ボツになったはずのスカイウェイはスカイラインの商用車に復活。ブリヂストンのタイヤや自転車の名前にも使われたのだ。

[著者:吉川雅幸]

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車名博物館 PART1

タイトル:車名博物館 PART1

著者:吉川雅幸

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体裁:四六判・164ページ(カラー16ページ)

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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