スバル BRZが鈴鹿で念願のシーズン初優勝!【スーパーGT第6戦・スバルレポート】
鈴鹿サーキットで8月28日(日)に開催されたSUPER GT第6戦『45TH INTERNATIONAL SUZUKA 1000km』で、SUBARU BRZ GT300(井口卓人/山内英輝)は4番グリッドからスタートし、GT300クラス優勝を獲得した。
第4戦スポーツランドSUGO(宮城県)、第5戦富士スピードウェイ(静岡県)と2戦連続の3位表彰台に続き、念願のシーズン初優勝にチームは沸いた。
ピット戦略と走りが噛み合ったレース展開
決勝日の28日(日)、鈴鹿サーキットの天候は雨。時折雨足の強くなる状況が続き、難しいコンディションでのレースとなることが予想された。昼過ぎにかけて雨はやや弱まったが、12時30分のレーススタートに向けてグリッドに整列した段階でもコースは湿っており、チームはスタート直前までタイヤ選択に頭を悩ませることに。
思案の末、グリッド上でタイヤ交換を行い、SUBARU BRZ GT300はスリックタイヤでスタート。ステアリングを握った山内は、1周目で前を行く2台をかわし、2番手に浮上して快調に周回を重ねる。
山内は2番手を守ったまま25周を終え、最初のピットイン。チームは給油とタイヤ交換、ドライバー交代を済ませ、井口をコースへと送り出すも、井口はアウトラップで追突されてしまいスピン。幸いマシンへのダメージはなかったものの、井口は大きく順位を落とし、20番手からの追い上げを強いられることとなった。
一度は諦めかけたという井口だが、その後も辛抱強く走り続け6番手まで浮上。途中雨に見舞われるシーンもあったが、53周を終えて山内へとバトンを渡す。チームはここでフロントタイヤを換えずにピットタイムを短縮する作戦に出る。
その後もタイムを落とすことなく、山内は安定したラップを刻み続け、最終的には3番手まで順位を挽回。80周を終えて井口へと再び交代するが、その直後にセーフティカーが導入されて、大きく広がっていた車両間隔が詰まった。セーフティカーランが解除され、次々とピットインするライバルを横目に井口は順位を上げ続けていき、102周目を終えた段階では、首位にまで登り詰めることに成功した。
108周を終えて4度目のピットインを行い、ドライバーは再び山内に。ここでもチームはリア2本のみを交換する作戦を採り、さらにマージンを稼ぎ出す。
山内は4番手でコースに復帰。この時点でSUBARU BRZ GT300は周囲のライバルよりも1回多いピットを済ませており、実質首位のリードを積み重ねていたと言えるだろう。山内は再び首位に返り咲き、133周を終えて井口へと最後のドライバーチェンジする。
井口は3番手で戦線に復帰すると、落ち着いた走りでラップを刻み、147周を終えてついに首位に立つ。終盤は雨に見舞われ慎重な走りを余儀なくされたものの、無事にSUBARU BRZ GT300をフィニッシュラインまで導き、大勢の観客からの祝福とともに今シーズン初勝利を達成した。
チーム、ドライバーともランキングはトップに浮上
スタートを担当した山内はSUPER GTシリーズで初めての優勝となり、今回のレースを次のように振り返った。「スタート後に2番手に上がって、その後ペースは首位の18号車に着いていくのが精いっぱいでしたが、諦めずに集中してプッシュした結果、優勝できてよかった。2輪交換という戦略もちゃんと機能したと思います。井口選手、チーム、ファンの皆さんに感謝しています。次戦のタイと、最後のツインリンクもてぎも、今までどおりポイントをしっかり獲って、最終的にはチャンピオンも狙って頑張っていきたいと思います」。
井口は、「山内選手がスタートからすごくいい流れをつくってくれました。僕に代わってから追突されてしまった時は諦めかけましたが、マシンにダメージもなく好ペースで走れました。セーフティカーなどラッキーなタイミングもあり、前の方に行けたことは大きかったです。チームがノーミスで頑張ってくれたこと、ドライバーもノーミスで走れたことで、この結果が得られたのだと思います。鈴鹿では2013年以来の勝利でうれしいです」と笑顔でコメントした。
チーム総監督を務める辰己英治は、「色々とあったレースですが、まあまあ順調なレースだったのではないでしょうか。あまりセーフティカーも出なかったですし。ただ、リア2本交換がなければ勝てなかったと思います。チームもドライバーも頑張ってくれたと思います」と、晴れやかな笑顔で語った。
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