燃費が2割もアップ! 新型ノア/ヴォクシー、8年ぶりのフルモデルチェンジで動力性能や先進運転支援機能が大幅に性能向上
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:島村 栄二・TOYOTA
2022年1月13日、8年ぶりのフルモデルチェンジを果たしたトヨタ 新型ノア/ヴォクシー。今回は、進化したパワートレインの動力性能やカタログ燃費、そして先進運転支援機能など、全てが刷新されている。大幅に性能向上を図った新型ノア/ヴォクシーのメカニズムについてご紹介しよう。
ガソリンモデルは新世代の2リッター高効率エンジンを新搭載
新型ノア/ヴォクシーのパワーユニット構成は、従来型と同じ2リッターガソリンエンジンと、1.8リッター+ハイブリッドの2種類だ。
ただし直列4気筒 2リッターノーマル(ノンターボ)エンジンは、ハリアーやRAV4などに搭載される高効率な「M20A-FKS」型ダイナミックフォースエンジンに刷新された。最高出力は170馬力(6600回転)、最大トルクは20.6kg-m(4900回転)となる。
2WDのWLTCモード燃費は、ノアの場合は15.0~15.1km/Lで、先代型の13.2~13.6km/Lに比べると、11~14%向上した。
ハイブリッドモデルはモーター、バッテリー、コントロールユニットの一式を全て刷新し燃費を向上
ハイブリッドについても、システムは大幅に刷新された。
モーターの出力を向上し、オイルは低粘度化され、リチウムイオン電池も新開発して小型化されている。パワーコントロールユニットは、損失を29%低減させた。後輪をモーターで駆動する4WDシステムもノア/ヴォクシーのハイブリッドモデルでは初採用となる。
これらの相乗効果により、新型ノア/ヴォクシーの動力性能が向上した。
主に実用域の駆動力が改善されたが、停車状態から時速100キロに達するまでの加速タイムも、先代型は12.4秒で新型は11.7秒まで短縮されている。
従来型のノア/ヴォクシー ハイブリッドモデルに比べ燃費は18~21%も向上!
ハイブリッド(2WD)のカタログ燃費は、ノアの場合で23.0~23.4km/L(WLTCモード燃費)だ。
先代型ノア/ヴォクシーのハイブリッドは19.0~19.8km/Lだったから、18~21%向上した。先代型から新型に乗り替えると、燃費数値上では燃料代を15~17%節約できる。新型のハイブリッドは、動力性能と燃費を両方ともに大きく向上させた。
フルモデルチェンジで新型ノア/ヴォクシーのADAS(先進運転支援機能)は大幅にバージョンアップした
安全装備は、衝突被害軽減ブレーキを作動できるトヨタセーフティセンスに「プロアクティブドライビングアシスト」が加わった。衝突被害軽減ブレーキは、危険が迫った時に作動するが、プロアクティブドライビングアシストは、危険の先読みを行う。
例えば路肩の歩行者を検知すると、飛び出しの危険も予測して、減速や操舵を支援する。危険を避けるというより、危険に近寄らせない装備だ。
衝突被害軽減ブレーキ(プリクラッシュセーフティ)自体も進化して、自車が右左折する時にも、直進車両、歩行者、自転車を検知する。見通しの悪い交差点で、左右方向から近付く車両を検知する「フロントクロストラフィックアラート」も加わった。
さらに先代型には運転支援機能が非装着だったが、新型には車間距離を自動制御できる全車速追従型クルーズコントロールなどが備わる。
これなら使える! 自動駐車の機能も大幅にアップした
自動的に車庫入れを行う「アドバンストパーク」も注目される。
駐車スペースの前側に車両を停車させ、モニター画面で駐車場所を確認してスイッチを入れると、ATレバーの前後切り替えも含めてすべての操作が支援される。
アドバンストパークの上級装備としては、リモート機能も用意されている。スマートフォンを使って降車した状態でも操作できる。
作動は乗車中と同じで、スマートフォンの画面に表示されたダイヤルを回し続けると、アドバンストパークの操作によって車庫入れや出庫が行われる。操作を中断すると車両の動きも止まる。
実際に体験してみたが、車庫が狭い時などに降車してから車庫への出し入れをスムーズに行える実用的なものだった。なかなか便利な機能だ。販売店などで実際に体感して欲しい。リモート機能はハイブリッド車のみの設定で、12万6500円~14万3000円(消費税込み)のオプションとなる。
次回はカーライフジャーナリストが選ぶオススメグレードをご紹介!
次回は、新型ノア/ヴォクシーに多彩に用意されたラインナップの中から、国内外の新型車に精通するカーライフジャーナリスト 渡辺 陽一郎氏が推奨する注目グレードをご紹介する。
新型ノア/ヴォクシーのオススメパワートレインはハイブリッドかガソリンか。そしてボディタイプはノーマルボディかエアロボディか…詳細は次回までお楽しみに!
[筆者:渡辺 陽一郎/撮影:島村 栄二・TOYOTA]
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