三菱 RVR 実燃費レビュー【総評編】(1/2)

CVTに不満があるものの、良く出来たクロスオーバーSUV

RVRの最もチャーミングなところは、やはりその絶妙なボディサイズだろう。

大き過ぎず、小さ過ぎない。背も高過ぎず、低過ぎない。アクティブな独身者にも、ファミリーにも、子供が独立した夫婦にも使いやすいのではないか。動力性能にも特に不足があるわけではなく、必要最小限のものが備わっている。

クルマとしての基本骨格が、よくできているのだと思う。何か突出したものに偏るのではなく、バランスがいい。

“RVR”なんていう名前を持っているから、いわゆるSUVやクロスオーバーなどのRV（レクリエーショナルヴィークル）を想像してしまったが、街乗りを第一に考えられた、いい意味での乗用車ではないか。だから、特にオフロードを走ったり、たくさん荷物を積んで頻繁に遠くへ旅するような使い方をしなくても、街乗りでも十分に使いやすくできている。

街で乗っている分には、あまり強い不満も感じないだろう。その証拠に、青梅街道を周囲の流れに沿うペースで走った時には「RVRって、よくできた乗用車だね」って、編集部のＹさんと2人で頷き合っていた。

燃費も、特別に悪くもなければ良いわけでもない。今回のように、走らせ方や道路状況による違いが大きくないのであれば、それはそれでひとつの目安としての判断材料のひとつとなるだろう。

しかし、山中のワインディングロードや高速道路では不満点もでてきた。エンジン回転と車速に、わずかなタイムラグを感じるCVTは、早急にアップデートが求められる。

同じCVTでも、もっと洗練されているものは他社にいくつもある。また、高速道路でのフロアからの細かな振動や騒音など、サスペンションの煮詰めやタイヤとのマッチングをさらに進める必要もあるだろう。