トヨタ ヤリスクロス ハイブリッド vs マツダ CX-30 ディーゼル 燃費比較! 実燃費はハイブリッド有利だがランニングコストはイーブンだ!(1/2)
- 筆者: トクダ トオル(MOTA)
昨今はハイブリッドカーの人気が高い。20年以上に渡りハイブリッドカーを量販するトヨタの場合、近年はほとんどの主力車種にハイブリッドモデルを用意し、圧倒的な低燃費ぶりで人気を集めている。いっぽうマツダは、パワフルで燃費も良いクリーンディーゼルエンジンを各SUVモデルに展開し、根強く支持されている。
果たしてハイブリッドとディーゼル、どちらのほうがランニングコストで有利なのだろうか。実燃費を通じて、検証してみた!
CX-30 ディーゼル(FF)の実燃費はカタログ値を超えた!
市街地以外の走行モードでカタログ燃費数値を超える低燃費を記録
まずは、マツダのスタイリッシュなコンパクトSUV「CX-30」(ディーゼルターボ・FF)の実燃費をチェックしてみよう。
今回も都内から首都高速経由で木更津・東京湾アクアラインを渡り、千葉県長南町から一般道を経由して都内に戻る約160kmのコースを走行した。
なおこの取材の後、マツダでは2021年4月26日にCX-30の一部改良を実施している。したがって今回の取材車両は旧型モデルとなってしまう点をご容赦いただきたい。
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「マツダ CX-30 XD L Package」(ディーゼルターボ・FF)の実燃費は、カタログ燃費19.2km/L(WLTCモード燃費)を上回る、21.3km/L(達成率110.7%)となった。
1回の満タンで1000kmを走破出来る実力の持ち主!
郊外モードはカタログ燃費19.2km/L[WLTCモード燃費]に対し、達成率138.5%の26.6km/L。高速道路モードもカタログ燃費21.0km/Lに対し、達成率127.6%の26.8km/Lと軒並み優秀な記録を叩き出した。
市街地については、朝の通勤ラッシュ時の渋滞に突入したため条件が悪く、カタログ燃費16.0km/Lに対し、達成率98.4%となる15.7km/Lの記録を出している。
なお燃料タンク容量51リッターを満タンにすると、計算上は東京から福岡県福岡市の距離に相当する1086.3kmを走破出来る計算となる。
ヤリスクロス 4WDの実燃費はほぼカタログ燃費通りの25.2km/Lを記録
続いて、クラストップの人気を誇るコンパクトSUV「トヨタ ヤリスクロス」(ハイブリッド・4WD)と、そのライバル車「ロッキー/ライズ」、旧型「ヴェゼル」、そしてマツダ CX-30を比較してみよう。
トヨタ独自のハイブリッドシステムを搭載するヤリスクロスは、他社を圧倒する低燃費を記録している。各モードとも優秀な成績を残した。
これに対しマツダ CX-30 ディーゼルは、市街地のみ伸び悩むものの、それ以外はカタログ燃費を超えるほどの低燃費をたたき出した。ディーゼルは都市部での渋滞路が苦手で、郊外路や高速道路といった淡々と走り続ける使い方に最適だということが、今回の数値からも見て取れる。
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ハイブリッドやディーゼルという飛び道具を持たないダイハツ ロッキー/トヨタ ライズも、実燃費20.2km/Lと大健闘。ヤリスクロスと人気TOP争いを繰り広げる実力の持ち主だけのことはある。
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実燃費でやや劣るCX-30のディーゼルだが、燃費に優れるハイブリッドのヤリスクロスと燃料コストほぼ同等だった
リッターあたり20円違うレギュラーガソリンと軽油の値段
さて、今回のテーマはランニングコスト。例えば5年5万キロ乗った場合、燃料代は果たしていくらかかるのだろうか。
マツダ CX-30(ディーゼルターボ・FF)[実燃費21.3km/L]と、トヨタ ヤリスクロス(ハイブリッド・4WD)[実燃費25.2km/L]の実燃費を基に調べてみた。
なお軽油は1リッターあたり130円、レギュラーガソリンは1リッターあたり150円として計算する。
すると、マツダ CX-30(ディーゼルターボ・FF)の5年5万キロ時の消費燃料はおよそ2347リットル。軽油代は30万5110円かかる計算となる。
対するトヨタ ヤリスクロス(ハイブリッド・4WD)の5年5万キロ時の消費燃料は1984リットル。レギュラーガソリン代は29万7600円という計算になった。
かろうじてトヨタ ヤリスクロス ハイブリッドがコスト面では勝ったものの、共に30万円前後とほぼイーブンの結果となった。
郊外路で多用するならCX-30 ディーゼル、都市部で多用するならヤリスクロス ハイブリッドが最適だ
安い軽油を用いるディーゼルターボエンジン車は、燃費では多少見劣ったとしてもコストパフォーマンスの良さがハイブリッドカーと同等であることが改めて確認出来た。
ただし、今回のCX-30の実燃費結果を見てもわかる通り、市街地での実燃費はディーゼルエンジンの苦手分野であることがわかる。
したがってCX-30ディーゼルは、郊外路や高速道路など速度域の高い領域を多用する使い方が合っている。
逆にヤリスクロス ハイブリッドは、渋滞などストップアンドゴーの多い都市部のオーナーにぴったりな選択肢だと言えるだろう。
自身が年間を通じてどのようなクルマの使い方をするのか、改めて良く考えたうえで、ハイブリッドとディーゼルの選択を見極めたいたいところだ。
[筆者:MOTA(モータ)編集部 トクダ トオル]
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