フォルクスワーゲン ゴルフGTI 実燃費レビュー【総評編】(1/2)
- 筆者: 金子 浩久
- カメラマン:オートックワン編集部
実用性に優れるゴルフGTIは、決して高い買い物ではない
ゴルフGTIには、ちょっと欠点が見当たらない。
スポーツカー顔負けの走りっぷりからは想像できない燃費の良さ、長距離走行での疲労の少なさ、実用車として使った場合の総合的なバランスの高さなど、競合できるクルマが思い浮かばない。
ボディサイズと2ボックスハッチバックという形式だけで判断し、同じサイズの日本車と比較するとゴルフGTIの価格は高いものに見えてしまうが、高くはない。
子供の手が離れたら即刻無用の長物と化すミニバンなどと違って、多用途性に優れる2ボックスハッチバックという形式は、ユーザーのライフスタイルの変遷に合わせて、長く乗り続けることができる。
10年、15年乗り続けられるのは当たり前。乗り続けるつもりなら、20年だって可能だ。そう考えれば、安いぐらいの買い物だと思う。だが、ゴルフGTIも完璧ではない。
まず、DSGの設定で馴染めない点がある。左足でブレーキを踏み、右足で発進しようとすると、エンジン回転が上がらなくなって危険な場合がある。走行中は右足でスロットルもブレーキも踏むが、見通しの良くない一時停止やヨーロッパのラウンドアバウトなどで、タイミングを見計らってすぐに発進する場合に、例外的であっても左足ブレーキを使うことを、GTIだけでなくフォルクスワーゲンのすべてのDSG搭載車は許してくれない。
設計ポリシーや安全に関する考え方にはそれぞれ理由があると思うが、失速の瞬間はとても怖い。設定の変更を望む。
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