BMW 320d BluePerformance 燃費レポート(4/4)

BMW 320d BluePerformance 燃費レポート
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BMW 320d BluePerformance 燃費レポート【市街地編】

BMW 320d BluePerformance

市街地走行でもご報告したい点は多かった。

1つ目は渋滞路走行でのアダプティブクルーズコントロールの印象だ。結論から言うと「熟成を望みたい。現状ではアダプティブクルーズコントロール以外も含まれているとはいえ、36万円の価値を見出すのは厳しい」といったところだ。

320dのアダプティブクルーズコントロールはクルマ任せでの完全停止、ボタン操作での停止からの発進が出来るのだが、ブレーキを掛けるタイミングが遅めで減速Gがきつく、結果的に急ブレーキ気味になってしまうことが多かった。

BMW 320d BluePerformance

停止からのボタンでの発進もアイドリングストップが関連していることも不利な要素なのだろうが、全体的に急加速気味で、発進と停止に関しては「運転があまり上手くない」という印象だった。あまりに特殊な日本の市街地の交通事情にこの種のシステムを適合させるのは、輸入車には特に大変なことなのは認識しているが、熟成を望みたい。

2つ目はアイドリングストップに関してだ。アイドリングストップ自体は停止してからエンジンが止まるタイプなので、停止する前にエンジンが止まるタイプで見られる、停止寸前のブレーキ踏力コントロール中にエンジンが始動することはなく好ましかった。しかし、これはディーゼルエンジンの特性の問題なのだけど、エンジン停止と始動の際の振動がハッキリ感じられるレベルなので、アイドリングストップが頻繁に起こる市街地走行だと、少し不快に感じられた。

BMW 320d BluePerformance

1つ320dのアイドリングストップの美点としてお伝えしたいのが、冷間時のアイドリングストップが始まるタイミングの早さだ。冷間時はエンジンがある程度温まるまでアイドリングストップしないのが普通だが、320dの場合は夏場で温まりが良かったという有利な要素があったにせよ、朝一発目のエンジン始動からでも1分もすればアイドリングストップが始まり、この貪欲に燃費を稼ごうとする姿勢として高く評価できる。

3つ目に燃費重視のエコプロモードのフィーリングだ。テスト後に試したところ、普通に乗っている限りこのモードがベストではないかと感じた。燃費を稼ぐためアクセル操作に対するレスポンスがノーマルモードに比べ鈍い方向となるため、燃費はもちろん副次的な効果としてあまり気を遣わなくても発進や加速がスムースになることが好ましく感じられた。エアコンがノーマルモードに比べかなり控えめとなり、風が生温く感じられる場面も多々あったが、このことはエアコンの温度設定を低めに設定すれば解消される。

BMW 320d BluePerformance

細かな点でも目に付いた点が2つあった。1つ目は是非は別として、駐車の際などにドアを開けて後輪などの動きを見ながらゆっくりバックをするということはよくあると思うが、そういったケースだと320dは安全のためギアを強制的にリバースからパーキングに戻してしまうのだ。また頻度としては少ないと思うが、ドアを開けながら前進した場合も同様だ。この機能をキャンセル出来るかまでは確認できなかったが、こういった機能があることは頭に入れておいて損はないだろう。

2つ目は輸入車ではよくあることだが、カーナビの操作性はあまり良くない。こういったことは慣れでカバーできる範囲だとは思うが、見ただけで直感的に操作できるタイプのカーナビではないことをお伝えしておきたい。

BMW 320d BluePerformance

同時にテストしたクラウンハイブリッドと比べると、市街地ではステアリングが軽く、発進などがスムースなクラウンハイブリッドの方が全体的に楽に乗れる(悪く表現すればルーズとも言えるかもしれない)と感じた。

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燃費は蒸し暑さに加え、激しい渋滞にも遭遇したこともありクラウンハイブリッドが15.1km/Lと意外に伸び悩んだコンディションだったが、320dは12.5km/Lと予想外に良好な燃費だった。アイドリングストップが車内の温度が上昇しても燃費を稼ぐためなかなかエンジンを再始動しないタイプなのかと思いきや、ノーマルモードだと快適性を維持するためそれなりの回数エンジンは再始動しており、この燃費はおそらくディーゼルエンジンのアイドリング中の燃費の良さによるところが大きかったと思われる。

 BMW 320d BluePerformance 市街地の実燃費/12.5km/L

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永田 恵一
筆者永田 恵一

1979年生まれ。26歳の時に本サイトでも活躍する国沢光宏氏に弟子入り。3年間の修業期間後フリーランスのライターとして独立した。豊富なクルマの知識を武器に、自動車メディア業界には貴重な若手世代として活躍してきたが、気付けば中堅と呼ばれる年齢に突入中。愛車はGRヤリスと86、過去には日本自動車史上最初で最後と思われるV12エンジンを搭載した先代センチュリーを所有していたことも。記事一覧を見る

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