三菱 MINICAB MiEV 試乗レポート(2/3)

スムーズな走りと乗り心地はお見事！

さて、今回の試乗は、東京は田町にある三菱自動車本社が発着ポイント。走行距離には限度があるため、近場をドライブするといったプランだ。まずは芝浦からレインボーブリッジを渡り、その後お台場をはじめ湾岸エリアをぐるっと走る一時間程度のコース。

早速乗り込む。ミニキャブ バンそのままという、EVの先進感が全く伝わってこないインテリアに一瞬拍子抜けしたが、「D」レンジにシフトを入れてアクセルを踏み込めばそんなことはどうでもよくなってきた。出だしがなんともスムーズなことに驚かされる。まるで何かの近未来のアトラクションにでも乗って移動しているかのような感覚だ。

そしてエンジンがないため、発進時のブルッとする振動や、一瞬リアが沈み込むようなガソリン車特有の動きもない。もちろんEVだからといえばそうなのだが、リアには紛れもなく重たいリチウムイオン電池を搭載しているはずなのに、その重量感さえも感じさせない終始スムーズな動きはある意味感激モノだ。

一般道に出てアクセルをさらに踏み込めば、なんとも力強い滑り出し。1.3リッタークラスのコンパクトカーと同等の加速で、まったくもってストレスフリー。本来は何の変哲もないただの軽ワゴンだが、バッテリーの重さがいい塩梅を生み出すのか、不安を感じさせる横揺れや、サスペンションからの煩わしい突き上げなどは、何も言われなければ気にならないほど抑えられていた。

聞けば、やはりバッテリーの加重による走りの想定もしっかり行われたとのことで、これに伴ってサスペンションのセッティングを変更しているとのこと。揺れを極力カットし、輸送面において荷崩れがしないよう最適な調整がされているのだ。つまりこれはしっかりと乗り心地にも反映されており、シートに伝わる下からの突き上げなどは、もはや軽自動車以上のクラス並みに抑えられていた。